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【編集長の戯言】ポートレイトとは
「モデルの人生を分けてもらうこと」
ポートレイトとは、モデルさんに声をかけ自分の意思を伝え一緒にひとつの作品を生み出す作業。
相手にカメラを向け、シャッターを切る……
それは既にモデルの人生のシャッター速度分を切り取る行為そのもの。
1/250、1/60、とその時間分のモデルの「生きている時間」をもらうのだ。
写真にモデルを写し込むという作業……
どうだろう。とても感慨深いと思いませんか。
人生には制限がある。
私は現在47歳。70歳まで生きるとして、残りは23年間。
日数でいうと8395日。
趣味で1日ひとり撮るとして、週末のうちの月に2回撮れたとしたら560回程度。
どんなに頑張ってもあと、500作品作れるのかどうか。
打ち合わせをし、一緒に撮影現場に移動し、シャッターに刻み込む。
8395日しかない人生の1日をそのモデルと過ごすのだ。
その作業はまさにモデルと人生を共有するということではないだろうか。
撮影に誘い、受けてもらえる。
このSNS時代にとても簡単になってしまった行為ではあるものの、
よく考えるととても興味深いことではないだろうか。
だからこそ私はポートレイトが好きだし、モデルに限らず
ヘアメイク、スタイリストなど、たくさんの人と関わることが好きである。
モデルに分けてもらったシャッター分の人生。
しっかりと、自分のベストを尽くしてセンサーに焼き付けていきたい。
……とか思う今日この頃です。