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NAVIGATOR'S shooting
Kay×NIKON Z 50 -
レンズの性能が問われる逆光でもテスト。
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シャッター速度1/125 絞りF6.3 ISO720 焦点距離50mm(35mm判換算75mm)
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シャッター速度1/160 絞りF6.3 ISO125 焦点距離50mm(35mm判換算75mm)
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PASHA STYLEのポートレートナビゲーターであり、セミナーでもお馴染みの"光と影を巧みに操る写真家"Kayさんがニコンの話題の機材をテストシューティング。
今回テストするのはフラッグシップモデルのD6やD780ではなく、Zマウント初のAPS−CフォーマットとなるZ 50とNIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRがセットになった『Z 50 16-50 VRレンズキット』です。※撮影は緊急事態宣言前。Z50はニコンが最高の光学性能を追求して生まれた「Zマウント」初のAPS-Cカメラ。フルサイズミラーレスのZ 7などよりさらに軽量コンパクトで携帯性の高いカメラとキットズームレンズで、どこまでのクオリティーの作品を撮ることができるのか注目です。
テストシューティングは、昨年12月に開催されたPASHA STYLE人気の撮影イベントcreative Re:birthの合間に撮影してもらうことになったのですが、いくら凄腕のフォトグラファーでも馴れない機材で、短時間では満足なテストができません。まずはテストのテスト撮影を都内の公園にて行いました。
【Kay’s VOICE】
「事前にカメラに慣れておきたかったので、テストとして近所の公園で簡単なスナップ撮影を行いました。モデルさんは僕の撮影によく協力してくれる華さんです。Z 50のファーストインプレッションはとにかく小さい。Z 50が発表された時に持った印象は、イベントなどで記者が取材用に持つのに良さそうなカメラだなと思ったのです。僕自身もニコンユーザーでD850をメイン機として使っています。だからフルサイズミラーレスカメラZ 7が発表された時もちょっとだけ触ったことがあったのですが、自分が作品撮りなどで使うのはちょっと違うかなと考えていました。そのZ 7よりもさらにコンパクトなAPS-Cカメラで作品撮りができたらスゴイのではと思って、Z 50をテストしてみることにしました。ただ誤算だったのは用意されたレンズがキットレンズ1本だけということ。正直なところコレでどうするの? 編集のサトー君に罠にハメられたのかもしれないとすら思いました。(笑)このロケ撮影でとにかく驚いたのが、実はボディよりもこのレンズでした。華さんの顔をメインに撮った作例②を見るとわかるのですが、髪の解像感や質感の写りは本当にすごいです。これがF2.8の大口径レンズではなくキットレンズです。わざと逆光でのシチュエーションでテストしてみても、変なフレアやゴーストが出ることもありませんでした」
ロケ地:都内某所
model:華
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センサーサイズはAPS-Cの2088万画素を採用している。
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モードの変更は天面に設置されたダイヤルで行う。
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事前のテスト、そして本番のテストシューティングでも使用したレンズはAPS-C専用モデル(DXフォーマット)の標準ズームレンズ『16-50mm f/3.5-6.3』。重さは約135gで、大きさは70φ×32mmと軽量・超コンパクト。Z 7& 6のキットレンズになっている24-70mm f/4sと比較するとかなり小型化されていることがわかります。さらにレンズ内手振れ補正(VR機構)を搭載しているので光量の少ないシーンでも安心して撮影できます。
【Kay’s VOICE】
「PASHA STYLEの撮影イベントcreative Re:birthでは、参加者の方と同じシチュエーションでモデルを撮影(作例⑥~⑧)しました。自分が撮影したスタジオは暗くてダークなイメージのジャルダン。雰囲気のあるスタジオで写欲が高まるスタジオですが、ここでの撮影はかなり難易度が高いのです。
暗いスタジオですがストロボを光らせると折角の雰囲気が崩れやすい。自分はストロボ撮影が得意なので普段ならストロボをセッティングするところですが、イベントの休憩時間での撮影だったので環境光で撮影することにしました。
おそらくイベント参加者と同じような撮影状況かと思います。Z 50はボディ内手ブレ補正がない機種で、レンズもF値が3.5-6.3。お世辞にも光の乏しい状況で撮影しやすい性能ではありません。ノイズを考えてISO感度を1600に設定し手持ちで撮影しました。シャッター速度は1/60~1/125で手ブレがおきるギリギリのところ。明るさを調整して仕上げたのが作例⑥です。そこからさらにピクチャーコントロールのモーニングを適用したのが作例⑦です。
今のカメラはすごく優秀ですね。大判のプリントで作品を作ろうと思ったら厳しい面もでてくるかと思うのですが、SNSでの発表やA4サイズぐらいのプリントまでならZ 50で十分作品撮りができるなと思いました」
入門機のイメージが強いZマウントのZ 50とキットレンズの16-50mmで撮影された作品はどうだったでしょうか? ピクチャーコントロールを使えばライトルームやフォトショップを使わなくても、簡単に仕上げることもできます。スペック重視だと高画素のフルサイズ機ばかりが気になってしまいますが、APS-C機の軽量でコンパクトボディも侮れません。
ロケ地:PASHA STYLE撮影会(creative Re:birth)jardin’k
model:ちゃんめい(Twitter:@OnkMmpk Instagram:@chanmei_doro)
hair&make up:今村和也、Aya Umetsu
designer:アリスガワアリス(Twitter:@ArisugawaAlice) -
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シャッター速度1/80 絞りF4.8 ISO1600 焦点距離30mm(35mm判換算45mm)
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Z7&6のキットレンズ24-70mm F4(上)と比べるとかなりコンパクトなのがわかる。
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16-50mmのレンズは沈胴タイプを採用、使用時は写真のような形状になる。
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シャッター速度1/60 絞りF6.3 ISO1600 焦点距離50mm(35mm判換算75mm)
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【使用機材】
カメラ:Z 50
有効画素数:2088万画素
センサー:23.5×15.7mmサイズCMOSセンサー(ニコンDXフォーマット)
記録メディア:SD/SDHCメモリーカード(UHS-I対応)/SDXCメモリーカード(UHS-I対応)
レンズマウント:ニコンZマウント
サイズ(横×高さ×厚み):約126.5×93.5×60mm
重量:約450g(付属バッテリー、メモリカード含む)
レンズ:NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
焦点距離:16-50mm(35mm判換算で24-75mm相当)
最小絞り:F22-F40
レンズ構成:7群9枚
フィルター径:46φ
絞り羽根:7枚
最短撮影距離:0.25m(焦点距離16mm)、0.2m(焦点距離24mm)、0.23m(焦点距離35mm)、0.3m(焦点距離50mm)
最大撮影倍率:0.2
最大径:約70φ
全長:32mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで、沈胴時)
質量:約135g
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次回は撮影合成加工で独自の世界を作り出すアーティスト
渡辺伸次さんがシグマのfpで撮影した動画を紹介します。
text:SATO TAKESHI