特集記事 REPORT

  • 記事検索

  • PASHA STYLE認定展現場インタビュー
    本誌編集長ooxoに聞く、PASHA STYLE認定展の目指す姿とこれからについて



認定展会場での本誌編集長ooxoこと大森和幸


ポートレート専門誌PASHA STYLEの大きな特徴として、公式サイト上での認定システムがあげられる。これは会員がサイトに写真をアップロードすると、ポートレートナビゲーターと呼ばれるプロフォトグラファーの方々が審査をし、認定を受けた作品だけが公式サイト上に掲載されるというもの。その認定作品が一堂に会するのがPASHA STYLE認定作品展であり、今年2月5日から2月9日、渋谷ルデコで第2回目となる展示が開催されていた。


審査を担当するひとりであるPASHA STYLE編集長 大森和幸(ooxo)に、認定展の目指す姿を尋ねた。


―PASHA STYLE認定作品展は今回が2度目の開催です。初回と比較して、どのようなところが変わったと思いますか?

「全然違います。まずひとつとして撮り手の意欲が変化していると感じます。参加人数は初回と同じですが、その際は枠が埋まるまでに時間がかかりました。けれども今回は募集開始後1時間半で全ての枠が埋まっている。つまり認定展がどのようなもので、どんな気持ちで参加したら良いかという部分を理解してくれた方々が出てくれたんだと思っています。作品のクオリティが高く、やる気のあるユーザーに出てもらいたいというのがこちらの想いでしたので、それが伝わってきたと感じました。」


「また去年の認定展はメーカーブースはひとつもありませんでしたが、今回は2社も入っていただけました。レベルが上がれば上がるほど、メーカーもちゃんと評価をしてくれます。今回はメーカー賞も増えていて、それは認定展とその参加者に対してメーカーが期待してくれているというではないでしょうか。」


―認定展に出展される方は、どんな方が多いのでしょう? またどのような作品を展示する場なのでしょうか。

「プロのフォトグラファーもいますが、アマチュアも多いです。参加の条件はオリジナルの作品がPASHA STYLE公式サイトで認定を受けている。それらの作品はすでにポートレートナビゲーターと呼ばれるプロフォトグラファーの審査を通っているわけですから、その時点で作品のクオリティはある程度保証されています。しかし実際の展示には、必ずしも認定作品と同じ作品を出せというわけではなく、それを超えているという自信があるという作品ならどんどん出してもらいたい。ただ認定作品に応募していると、通る作品と通らない作品が出てきますよね。そこで当落の違いを理解し、それを念頭に制作に取り組んでいるという作品であってほしい。例えばただ撮っただけの単なるブロマイドでは作品として足りないところが出てきます。そこにどんな要素を足していくと、作品として成り立つのかを考えて盛り込んでいく。露出なのか、花を持たせるのか、光の演出なのか、表情なのか。何かを考えなければならなくて、その何かが個性であり作家性に繋がってきます。どれだけ時間と思考を凝らし、テーマやメッセージを含めて写真を組み立てていくかが、展示されたときに素通りされてしまう作品になるのか、立ち止まって5分見てもらえる作品になるかを決めると思うのです。もうひと捻りほしいという部分を考えてあるかどうかです。」



5日間にわたった会期中は、多くの来場者が展示を楽しんでいた。

―認定展の意義とは?
「認定展で最も肝になるのは、プロフォトグラファーやメーカー、他のメディアの方々がレビューをしてくれるというところ。『どうですか』と聞いてみて、駄目ならどこが駄目だったのか、どこが良かったのかを、今まで撮ったものも含めて聞けるところです。その意見を消化吸収して自分の写真スキルのレベルアップに繋げて欲しい。そして次の認定展に活かすとか、次の認定作品応募に活かしてもらえたらいいと思っています。そうすると必然的に認定展のレベルも上がっていきます。合同展は他にもリアルポートレートなど、様々なものが開催されています。そういった場にもプロの方々がいらっしゃるので、自分から求めれば意見をもらえるかもしれません。あと、合同展というのはどちらかというと、仲間とのコミュニケーションも魅力のひとつだと思うんです。認定展ではそんなコミュニケーションも、より熱く、本気で楽しく関われる仲間が集う場所にしていきたいですね。」

―メディアとしてのPASHA STYLEが、こうした展示の場で背負う役割とはどういったものでしょうか?
「お金と時間をかけてメディアとしての活動を続けることで、メーカーや世間から認知され信頼を得ること。高いレベルの作品とそこに関わる人達の熱い想いや写真が好きだという気持ち、そして発信力を身につけることですかね。最近では、フォロワーさんが多く強い発信力を持つ個人もいますが、その発信力とはまた別だと考えています。例えば、PASHA STYLEではメディアとして撮影会やイベントもやっていますが、これはそれを生業とする他の専門団体とは違います。利益を出すことが目的というよりはPASHA STYLEがどういった事を提案したいのか、どういったレベルで楽しんで欲しいのかを実際に見てもらい、体験してもらうのが目的なのです。メディア(雑誌)で紹介した写真に興味を持ったら、それに関連する機材やストーリーをウェブで読んでもらい、次は実際に体験してもらったり、展示で満足感を得てもらう。そうした一連の流れの全てを提供することで、参加者の皆様に楽しく満足度の高い写真ライフを提案したい。そしてPASHA STYLEがその活動をメディアとしてメーカーに提案する事で、業界の活性化や皆様の可能性を伝えていけると考えています。」

「雑誌は売れない、儲からないと言われる時代において、それはPASHA STYLEも例外ではありません。とはいえお金のことより、まずは本誌に載っているクオリティの高い作品を見て頂きたい! という意識でやっています。PASHA STYLEが提案したい世界観の、頂点となるところに雑誌がある。それは買う層からしたら『神本』である。そういうところを目指したいんです。この展示の出展にかかる費用は、撮影や印刷、そして出展料を合わせると、ちょっとしたレンズの1本くらいが買える金額だったりします。それでも半年に1回こうした展示をすることで、それだけの予算をかけても出てくれるのです。それは目に見える頂点(目標)があるからで、それを利益の大小を理由にやめてしまうわけにはいかないんです。そしてそこを目指してきた人たちが創る作品や想いに対して、メーカーがサポートを申し出てくれたら、それが次に繋がるのです。そのためには、まず認定展が絶対的なハイクオリティで、認知度も高くなっていかなければいけない。現状クオリティは上がってきましたが、認知度が追いついてないので、見に来た人に『雑誌もあるんですね』と言われたり……それではまだ駄目だと思っています。認定展も含めてPASHA STYLEとは何か、ということを皆様に理解してもらいたいという思いでやっています。」


認定作品のみを集めた展示というだけあり、クオリティの高い作品が集結した。


―出展者や、認定を目指す皆さんへのメッセージなどありますか?
「アーティストと呼ばれる方々って、お金や名声よりも満足感や作品のクオリティを求めてしまうことが多いです。PASHA STYLEは、アーティストのそういった部分をフォローしていきたい。そうしてさらに上を目指していく人達をサポートし、業界に発信していきたい。そのために、写真の先輩であるポートレートナビゲーターに意見が聞けるのが認定展です。例え良くない評価をもらって落ち込んだとしても、皆で頑張ろうというスタンスでいてもらえると必ず結果はついてくると思います。」

現在はイベントや展示が難しい状況ではあるものの、PASHA STYLE認定展は皆さんの技術向上や満足感を得てもらう場、また本気で遊べる場として今後も継続していく予定だという。状況次第ではオンライン展示など、形を変えて開催する可能性もゼロではないが、いまのところ第3回目の認定展は12月頃に行う方向で調整中。作品制作を続けながら、認定作品応募に挑戦しながら、楽しみに待っていてもらいたい。



【text:Akane Kofuji】