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  • NAVIGATOR'S shooting
    福島裕二×LUMIX S PRO 24-70mm F2.8 / LUMIX S PRO 50mm F1.4

  • モデルを泣かせる漢として知られる福島裕二さんがテストシューティング。

    • 作例① レンズ:LUMIXS 50/F1.4 シャッター速度1/250 絞りF1.6 ISO100

    • 作例② レンズ:LUMIXS 50/F1.4 シャッター速度1/100 絞りF1.4 ISO100

    • 作例③ レンズ:LUMIXS 50/F1.4 シャッター速度1/400 絞りF1.6 ISO200

  • 今回のNAVIGATOR’S Shooting
    撮影は、5月からPASHA STYLEポートレートナビゲーターに加入してくれた福島裕二さん。

    はじまりは福島さんからの「PASHA STYLEでPanasonicのレンズを借りられない? ちょっとテストしてみたいんだよね」という電話から。すぐに編集部総出で機材を借りられないか手配をして、実現したのが今回のテストシューティング。

    と言いたいところでしたが、そこは顔の広い福島さん。ご自身で別ルートから手配出来たと後日伺い、それならPASHA STYLEで記事は作れないだろうなぁと思っていたら、福島さんから「せっかくだから記事作ってよ」と優しいお声をかけていただき、今回の撮影現場密着取材となりました。
     
     
    【テスト機材】
    LUMIX S PRO 24-70mm F2.8
    LUMIX S S PRO 50mm F1.4
     
     
    テスト機材はPanasonicのフルサイズ一眼レフカメラLUMIX Sシリーズのレンズ2本。LUMIX Sシリーズはライカカメラが生んだLマウントを採用した、Lマウント アライアンスを採用したモデル。

    なぜ福島さんがパナソニックのレンズを使いたかったかというと、

    クライアントメインの仕事はニコンZマウント、作品撮りはライカという機材の使い分けていて、マウントが2つとなると単純に持ち運ぶレンズが倍になってしまう。できることだったらライカLマウント1本化したい。

    それが福島さんのテストシューティングの目的。
    仕事に使うとなるとスピードを要求されることもあるため、AFとズームが必須。ライカだと24-70mmでF固定のズームレンズがない。その不満を解消するために、Lマウントを採用しているLUMIXのSシリーズの24-70mmと50mmをテスト。
     
     
    【福島's VOICE】
    「今日は50mmがメインの撮影になったのですが、レンズはスゴイ良かったです。普段、仕事でZEISSのOtusを使っていますが、比べても遜色のない写りでした。ちょっと派手に写りますが色もしっかりと出るし自分好みです。

    実は以前、他社の45mmを使ったことがあるのですが、硬めの写りだったのでちょっと自分の好みとは違ったんですよ。欲しかったのは、写りは柔らかく、でもしっかりと解像度の高いレンズ。ライカSL2はもともと固めに写りますから。
    撮影データが硬めの写りだと、仕上げでコントラストを下げてもパキパキになってしまう。SNSだけで作品を発表する分にはいいのだけど、自分の場合は大きいプリントで展示もするので、コントラストの強いドラマチックなシーンでシャドーが黒潰れしてハイライトが飛んでしまったら台無しなんですよね。

    あと、スピードを要求される時に重宝するオートフォーカスも問題なかったです。オートフォーカスからマニュアルフォーカスへの切り替え変更もやりやすかったですね。カチカチと動かすスイッチタイプだとピントがズレそうな気がして不安だけど、ピントリングを前後にスライドさせる機構でオートフォーカスとマニュアルフォーカスを切り替えるのはスムーズで操作しやすかったです。これなら仕事で使っても大丈夫ですね」

  • ブラインドから差す光を絶妙に調整して撮影。

  • カメラは作品撮りの時に愛用しているライカSL2を使用。

  • レンズの評価は上々。福島さんに「レンズ性能も問題なければ、レンズを購入してライカシステムに統一ですか?」と質問すると「NO」と意外な答えが返ってきました。どうしてなのか? ここからは福島流の機材選びの話です。
     
     
    【福島's VOICE】
    「仕事の撮影はニコンがメインで、作品撮りはライカ。ちなみに写真集の時はライカで撮影しています。
    だからロケに持っていく時はライカとニコンの2つのシステムを持っていきます。これだとマウントが違うのでレンズが倍になって大変。できれば仕事にもライカを使っていきたかったので、今回のテストとなったのだけど、僕の中で今のニコンZマウントのシステムは最高なんです。

    以前、ソニーのα9でテストしたことがあるのですが、僕には合いませんでした。
    全く同じ状況でもニコンで撮影すると、データを見たクライアントが「わぁ」という良い雰囲気になる。それがソニーだとならない。きっと僕が微調整した光がソニーとは合わないんです。
    ライカのシステムは、写真集や作品撮りで使用しているので問題ない。ではなぜライカで仕事の撮影をしてないかというと、普段の仕事撮影はクライアントチェックが多いから。
    クライアントチェックにはカメラとPCを繋いで、撮った瞬間にPCで写真を確認ができるテザー撮影が必須。もちろんライカの転送システムでPCを実線でつないでテザー撮影はできるのだけど、自分の撮影スタイルだと光を探して自由に動きたいので実線のテザー撮影というのはありえない。

    実はテスト撮影の前にエアダイレクトのワイヤレスのテザー撮影が可能か検証してみたのですが、JPG+RAW撮影だと、JPGだけを転送することができなかった。JPG+RAWで転送はできるけどライカSL2は4730万画素ある。ワイヤレスでJPG+RAWを両方転送するのはデータ量が多すぎる。だからJPGのみの転送は必須なんだけど、それが出来なかった。実はこの段階でライカシステムへの一本化は難しいと分かりました。
    レンズ特性は良いけれど、まだ仕事の機材としては採用できないかな。僕の仕事スタイル的には、トランスミッターシステムを含めて考えていたので……。

    データが飛ばせればレンズを買ってもよかったのですけどね。だから今回のテストシューティングは50mmがメインになりました。ズームレンズは僕にとっては完全に仕事仕様なので……」

    • 作例④ レンズ:LUMIXS 50/F1.4 シャッター速度1/60 絞りF1.4 ISO100

    • 作例⑤ レンズ:LUMIXS 50/F1.4 シャッター速度1/400 絞りF1.4 ISO100

    • 作例⑥ レンズ:LUMIXS 50/F1.4 シャッター速度1/80 絞りF1.4 ISO100

  • 作例⑦上 レンズ:LUMIXS 50/F1.4 シャッター速度1/160 絞りF1.6 ISO100 作例⑧下レンズ:LUMIXS 50/F1.4 シャッター速度1/1600 絞りF1.4 ISO100

  • 今回、福島さんが撮影したのは、すっぴんが魅力の吹雪さんとPASHA STYLE撮影会でもお馴染みのアナスタシアさんの2人。それぞれキャラクターの違うモデルを福島さんがどのように撮影したのか、作例をご覧ください。時間は違いますが同じ場所で撮影されています。モデルと光のコントロールでかなり印象の違う作品に仕上がっています。※作例⑧のみ違う場所
     
     
    【福島's VOICE】
    「僕は撮影機材をいきなりぶっつけで仕事には使わないので、基本的にテストシューティングしてから使っています。今回はせっかく撮影するなら作品撮りになるようにモデルさんを用意しました。モデルさんは僕がキャスティングした吹雪さんと、PASHA STYLE編集部(ユコさん)にキャスティングしてもらったアナスタシアさん。せっかくPASHA STYLEの記事になるなら、PASHA STYLEテイストの撮影もしたいので、モデルさんと同時にヘアメイクさんも編集部で手配してもらいました。

    撮影は情報のコントロールが重要だと思っています。吹雪さんの撮影は普段の僕の作品寄りで、アナスタシアさんはカチっとしている雰囲気を壊してあげることを意識して撮影しました。光をコントロールして彼女たちの顔をこれだけのトーンで撮影できる人は少ないでしょ(笑)」

     
    撮影:福島裕二(twitter:@f_yug_harvest instagram:@yug_hitorigoto)
    https://pasha.style/article/1172
    モデル(作例①~③、⑦):吹雪(twitter&instagram:@fubuki_f114)
    モデル(作例④~⑥、⑧):アナスタシア(instagram:@_aka_aya_)
    hair&make up:ユミウノ(twitter:@acidyoumieroid instagram:@youmie620)