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    KONDO KOICHI×EOS R5









今回のNAVIGATOR’S Shootingで使用する機材は7月30日に発売された『EOS R5』。

テスト撮影に協力してくれたのはPASHA STYLEポートレートナビゲーターのKONDO KOICHIさん。

 

2017年からフリーのフォトグラファーとして活躍しているKONDO KOICHIさんは

Twitterで「写真をはじめたので誰か撮らせてくれませんか?」とつぶやいたことをきっかけに、

次から次へとモデルを撮影し多い時には年間134人を撮影したポートレート撮影の猛者。

 

そんなポートレートの猛者KONDOさんが最新のフルサイズミラーレス一眼『EOS R5』をテストシューティング。

レンズは普段使いに最適な『RF24-105mm F4 L IS USM』とポートレート撮影にピッタリの中望遠『RF85mm F1.2 L USM DS』を使用しました。

  

  

【テスト機材】

カメラ:EOS R5

レンズ:RF24-105mm F4 L IS USM

    RF85mm F1.2 L USM DS


撮影:KONDO KOICHItwitter

モデル:雪乃ちゃそ(twitterinstagram






作例1 レンズ:RF24-105mm F4 L IS USM シャッター速度1/40 絞りF4 ISO3200







作例2 レンズ:RF85mm F1.2 L USM DS シャッター速度1/6 絞りF1.2 ISO400



EOS R5










今回テストに使用した『EOS R5』は、2020年7月現在でEOS最高解像性能を実現したキヤノンが満を持して登場させたミラーレス一眼。センサーは約4500万画素35mmフルサイズCMOSセンサーを搭載し、最新の高性能映像エンジンDIGIX Xを採用している。EOS初のボディ内5軸手ブレ補正機構を搭載し、ISO感度は常用で100~51200、拡張では最高102400まで設定でき、暗所でも安心して撮影できるのがポイント。バリアングル液晶を採用し、世界初の8K30Pの動画撮影も可能。記録メディアはCFexpressカードとSDカードに対応し、デュアルスロットは搭載。 

 

【KONDO's VOICE】

「普段はソニーα7IIIを使っています。実はソニーの前はキヤノンのEOS 5Dを使っていたので、EOS R5はとても気になっていました。使ってみた感想としては、とにかくストレスなく使えるのがよかったです。細かいところなのですが、電源のオンオフから操作できるようになるまでの反応速度やカード初期化のスピードなどカタログの数値からは読み取ることができない。実に細かな部分の完成度がさすがキヤノンと言った感じでした。オートフォーカスに関しても、瞳オートフォーカスなどソニーのほうが上かなと思ったのですが体感的にはキヤノンの方がしっかりと追従する印象を受けました。あとEOS R5はグリップが大きめなのでミラーレス一眼としては持ちやすいと評判なのですが、特別使いやすい印象はうけなかったです。自分は手が大きいので(笑)。自分の場合はスチールとセットで動画撮影を行うことが増えて、ミラーレスなら1つのシステムで機材を減らせるということで2年ぐらい前にαにシステムを移行したのですが、今システムを変えるのだったら間違いなくキヤノンですね」





作例3 レンズ:RF85mm F1.2 L USM DS シャッター速度1/60 絞りF1.2 ISO3200


 

 


RF24-105mm F4 L IS USM








作例4(24mm) レンズ:RF24-105mm F4 L IS USM シャッター速度1/3 絞りF4 ISO200

作例5(105mm) レンズ:RF24-105mm F4 L IS USM シャッター速度1/3 絞りF4 ISO200






『RF24-105mm F4 L IS USM』の広角24mmから望遠105mmまで撮影できる焦点距離は、これからEOS Rシステムで機材を揃えていきたい方の1本目のレンズとしても最適。従来のEOS EFレンズで発売されていた『EF24-105mm F4L IS II USM』より全長を11mm短縮して、重さ約700gを実現している。またIS(IMAGE STABILIZER)搭載することで、最大で5段分の手ブレ補正効果を実現している。EOS R5のボディ内5軸手ブレ補正機構と合わせるとなんと8.0段分の効果も。

 

 

【KONDO's VOICE】

「F4通しのレンズだと暗い印象だったのですが、ISO感度をあげてあげればレンズの暗さが気にならなかったです。ISOをあげてもノイズがあまり気にならない最新のカメラだとF4通しのレンズは、はじめてレンズを買う人には良いかもしれないです。昔だとISOの限界とか手ブレとか気になって明るいレンズ必須だなぁとなっていたのですけどね。ボケ感とか抜けを気にしないならガンガン使っていけると思います。何よりも便利なのは24mmから105mmまでが1本で撮影できるところ。作例4(24mm)と作例(105mm)は、実は同じ立ち位置から撮影しています。同じ位置から撮影してここまで表現できるものが変わるのは便利です」






作例6 レンズ:RF24-105mm F4 L IS USM シャッター速度1/10 絞りF4 ISO3200







作例7 レンズ:RF24-105mm F4 L IS USM シャッター速度1/40 絞りF4 ISO3200




RF85mm F1.2 L USM DS










2本目のレンズは『RF85mm F1.2 L USM DS』。RFレンズの単焦点レンズは35mm、50mm、85mmがラインナップされていて、なんと85mmは2タイプが発売されている。違いはDS(Defocus Smoothing)コーティングが施されているか否かだ。ポートレート専門メディアとして「美しいボケ描写が可能な単焦点レンズ」と聞いたら是非テストしたいと思い。今回のテスト機材に選ばせてもらいました。スタジオ撮影だとボケ感がわかり難かったので、ロケで24-105mmと同シチュエーションでテストテスト撮影(24-105mmの焦点距離は85mmに設定)してみました。ガードレールの反射板にピントを合わせて開放で撮影。注目はボケの大きさと美しさ。正直、ここまで玉ボケが大きくなると印象的なポートレート撮影が出来そうです。

  

 

 【KONDO's VOICE】

「85mmを使ってみての感想は物理的にデカイですね。存在感が半端ないです。24-105mmと比べると本当にサイズが違うのがわかります。実はキヤノンの一眼レフを使っている時に85mm F1.2を使ったことがあるのですが、写りはよかったのですがピントがシビアでした。F1.2なのでピントが浅いので……。じっくりと時間をかけて撮影できる時はいいのですが、なかなかピーキーで扱いにくい印象だったのですが、今回のRFレンズの85mm F1.2は瞳オートフォーカスとEOS R5のボディ内手ブレ補正のおかげでピントの浅さを感じさせないほど快適に撮影できました。F1.2でこんなに瞳にピントが合うとは驚きです。あ、今回は全部瞳オートフォーカスを使って撮影しました」









作例8 レンズ:RF85mm F1.2 L USM DS シャッター速度1/10 絞りF1.2 ISO1600









作例9 レンズ:RF85mm F1.2 L USM DS シャッター速度1/60 絞りF1.2 ISO3200



撮影と仕上げ

撮影はノスタルジックな雰囲気が特徴のハウススタジオで行いました。撮影はもうすこしで陽が沈む17時半からスタート。モデルは黒髪が素敵な雪乃ちゃそさん。EOS R5の手ブレ補正、高感度性能などをテストするためにかなり過酷状況で撮影となりました。ライティング機材は暗くてもストロボを使わず、携帯電話よりひとまわり大きなLEDのみ。作例2をみるとスタジオが暗いのがわからないぐらい明るく写していいますが、実際の明るさはかなり暗いです(現場写真②)。ちなみに作例3を撮影している時にはさらに陽が落ちて、もっと暗かったです(写真⑥)。








 ① 光の位置を考えてモデルに的確に指示を出して撮影をするKONDOさん。②EOS R5がどこまで暗所で撮影できるかテスト。③ライティングはコンパクトなLEDをのみ。④窓の外から夕陽をイメージした光をLEDで演出。⑤光を柔らかくするためにルーセントを使用。⑥こんなに暗い環境で撮影していました。



【KONDO's VOICE】

「今日はEOS初搭載のボディ内手ブレ補正がどのぐらい利くのか試したかったので、あえてストロボを使わないで撮影しました。撮影機材はLEDのみです。影をハッキリと濃く出したい時にはルーセントも使いました(現場写真⑤)。実際に撮影してみて高感度でのノイズの少なさにはびっくりしました。ノイズリダクションが優秀ですね。ストロボを使ってないので、シャッター速度は1/20から1/3までで通常ならブレてしまうシーンでも、ボディ内手ブレ補正のおかげでしっかりと止まって写せたところを見て流石キヤノンと感心しました。


今回はテスト撮影だったので、JPG+RAWで撮影しました。仕上げについては、自分の場合は現像で自分のテイストを作っていくタイプなので、RAWで撮影して、PCで現像作業をするのでカメラの設定はイージーです。だいたい合っていればいい(笑)

基本的に撮って出しはしないのですが、今回はそのまま使えるようにカメラの設定(ピクチャースタイル)で仕上げました。ピクチャースタイルはスタンダードをベースに、スタジオとモデルの雰囲気に合わせてノスタルジックな仕上げを念頭に微調整しました。具体的には彩度とコントラストを下げて、色合いにすこしだけ黄色方向に設定しています。デフォルトで設定されているポートレートモードは、コントラスト高め、彩度高めでクッキリ写る印象だったので、肌色とかを綺麗に出したい時はこちらが良さそうです。ちなみに普段使っているカメラだと肌色が茶色ぽくなる印象なのでJPEG撮って出しは難しいのですが、EOS R5なら撮って出しの状態で健康的な色になるので、これならPCで補正なしでも使えそうな印象です」









作例10(ポートレートモード) レンズ:RF24-105mm F4 L IS USM シャッター速度1/4 絞りF4 ISO200

作例11(カスタム設定) レンズ:RF24-105mm F4 L IS USM シャッター速度1/8 絞りF4 ISO500









作例12 レンズ:RF85mm F1.2 L USM DS シャッター速度1/40 絞りF1.2 ISO400






作例13 レンズ:RF85mm F1.2 L USM DS シャッター速度1/40 絞りF1.2 ISO3200







作例14 レンズ:RF85mm F1.2 L USM DS シャッター速度1/40 絞りF1.2 ISO400











【プロフィール】

KONDO KOICHItwitter

1992年生まれ、長崎出身。東京ビジュアルアーツ写真学科卒業後、

フリーのフォトグラファーとしてファッションやグラビアなどの人物撮影を中心に活動中。

現在、発売中のPASHA STYLE Vol.6にも作品を掲載中。購入はこちら


 

 

 

 

今回のNAVIGATOR'S shootingは、人気爆発中で入手困難なEOS R5でした。

KONDOさんのポートレート撮影のライティングや仕上げのテクニックは別のカメラを使っている方でもフィードバックできるかと思います。

ポータブルLEDを使ったライティングやピクチャースタイルの微調整の仕方など自分の撮影スタイルに取り入れたいですね。

  

 

次回は、PASHA STYLE編集長ooxoがEOS R5で作品撮りをした模様をレポートします。

 

 


text:SATO TAKESHI