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  • 【雑誌連動企画】X(cross)shooting…レンズレビュー
    イルコ×コシナ/Voigtländer史上最高の標準レンズの実力とは



PASHA STYLEの人気企画X(cross)shooting。レンズメーカーCOSINAとイルコ・アレクサンダロフのコラボレーション撮影からの2回目は“フォクトレンダー史上最高の標準レンズ”と銘打たれたレンズの恐るべき性能について紐解いてみたいと思う。まずは今回の使用レンズ、フルサイズ対応ソニーEマウント単焦点マニュアルフォーカスレンズAPO-LANTHAR 50mm F2 Asphericalの基本スペックをおさらいしておこう。


●光の3原色を構成するRGBの軸上色収差及び倍率色収差を限りなくゼロに近づける「アポクロマート設計」を採用

●サイズ:φ62.6×61.3mm(フィルター径φ49mm
●重量:364g
●最小絞り:F16
●最短撮影距離:0.45m
●レンズ構成:8群10枚
●絞り羽根枚数:12枚
●価格:希望小売価格(税別)12万円



COSINAという企業として、そしてVoigtländerブランドとしての節目に発売されることとなったこのレンズの開発には、並々ならない情熱が注ぎ込まれたであろうことは自らが“史上最高”と謳うことによる覚悟と自信から容易に推察することができる。とはいえ性能を追い求め過ぎるあまりにサイズが大型化することでのユーザビリティーの低下への配慮も忘れられていないところが見事なバランス感覚と感じる。50mm/F2、最短撮影距離0.45mmという一見オーソドックスで欲張らない数値の裏に、最高性能とコンパクトさのせめぎ合いが垣間見える。あくまでも日常使いできる史上最高のレンズなのだ。


金属の塊といった風情のしっとりと落ち着いた黒の肢体は、適度な重量を伴って掌にすっぽりと収まる。ボディに装着した時のバランスは最高だ。総金属製のヘリコイドは重くもなく軽くもなく、まさに何のストレスもなくスルスルとフォーカスを合わせてくれる。小気味良いクリック感のある絞りリングは昨今の動画撮影への配慮からクリックを無しにもできる。最高を求める企業の拘りはレンズ構成や絞り羽根の機構からも感じることができる。8群10枚のレンズのうち約7割を特殊レンズで構成し徹底して各収差をコントロールしようという極めて贅沢な作り、開放はもとよりF2.8でも絞り羽根の形状が真円になり、その他の絞り位置でも可能な限り円形に近づけることで、点光源のボケを美しく楽しむことができる特別に設計された絞り羽根。MTF性能の曲線も開放からグラフ上部に張り付いている。これまでのレンズ開発でのノウハウや理想がこれでもかと注ぎ込まれた驚くべき究極の1本となっている。




実際の作例を見てみよう。本誌52〜53ページに掲載された見開きの写真(上)。モデルをウエストショットで狙ったカットだ。(Sony α7R IV、ISO100、絞りF2、SS1/2500)色乗りがよくしっとりとした美しい肌のグラデーションを伴ったこの解像感。これが開放か…と思わずため息が出てしまう。ピント面のまつ毛や眉毛、肌の透き通るような肌目、産毛の柔らかさ、アイシャドーの粒状感までをも描き出す描写力はただただ素晴らしい。思わずじっと見入ってしまうほどだ。


同じく55ページに掲載された写真(下)。こちらはフルフィギュア程度の引きでの横位置カット。(Sony α7R IV、ISO100、絞りF2、SS1/2000)このくらいの引きのカットですら100%での解像感は眼を見張るものがある。薄く雲が空に張り付き、適度にディフューズされた光の中でのストロボ撮影は、湿り気をまとって落ち込む背景とモデルとのコントラストが重厚感となって大変美しい。200%に拡大したヘッドアクセサリーの綺羅びやかな装飾あたりもフリンジのような強い縁取りはしっかりと抑えられている。




開放でもこの描写力だが周辺光量は若干落ちるようだ。それもF4くらいまで絞れば解消される。それからF2という開放F値だが、その数字からくるイメージよりもかなりピントがシビアだと感じる。高い解像性能故のことかもしれない。しかし現在の高解像度化するフルサイズ機の性能をフルに描写するポテンシャルは確実にあると言えるのではないだろうか。まさに史上最高の標準レンズの名に偽りなしだ。


photographer:Ilko AllexandroffPASHA STYLE PAGE / twitter / instagram

model:Jasmine Roseinstagram

hair&make up:etsuco(instagram

dress design:Kei numakura(instagram


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今回撮影された作品は、雑誌PASHA STYLE Vol.6にて掲載中!

ぜひそちらと併せてお楽しみください。

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【text:kawano kimihiro】