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  • 一瞬のチャンスを逃さない。
    「REVORING VND CPL」とは。





「REVORING VND CPLを使うメリットとは?」


NDフィルターは風景を撮影する者にとって必須アイテムである。

そして、今回紹介する「REVORING Vari ND3-ND 1000 CPL」は、これまで以上に利便性が高まり、軽快な撮影が可能になったことで、一瞬のチャンスを逃さずに捉えるということがより早く出来るようになった。


注目すべきポイントは、可変式ステップアップリングでレンズ口径に合わせてフィルターを交換する必要がなく、CPLフィルターも内蔵されているので同時に使用出来るところである。この一つのアイテムにぎゅっと凝縮されている贅沢な高機能性には驚かざるを得ない。


さらに、この製品と角型フィルターを併用することで多様なシチュエーションでの撮影を楽しむことが出来る。風景撮影において朝夕などの輝度差が大きい場面では、G(グラデーション)NDフィルターが活躍する。

例えば、空の白飛びや大地の黒潰れを防止し、コントラストを抑えて撮影することが出来るので、RAW現像で過度なレタッチをせずに済む為、画像の荒れを最小限に抑えることが出来るのだ。


REVORING VND CPLフィルターとは?


「REVORING」とは、H&Y社(H&Y Filters Japan)が開発した「可変式ステップアップリング」のことで、レンズのフィルターネジが絞り羽根のように開閉するものである。その為、レンズ口径に合わせてフィルターを交換する手間が省けるので、早くて簡単なのである。


ねじ込み式のフィルターは、ネジがうまく噛み合わずに時間がかかったり、取り外せなくなったりして困ることが多々あった。しかし、REVORINGは1/4程度回転するだけで装着完了、取り外しはワンタッチなので、撮影にはとても助かる。

そのREVORINGに「可変式NDフィルター」と「CPLフィルター」が一体化したのが

「REVORING Vari ND CPL」である。機動力の高い可変式NDフィルターが合体し、撮影の効率化に繋がった。


◆REVORING Vari ND CPL



◆REVORING Vari ND CPLを装着した状態



口径は以下のようにバリエーションも豊富で、自分の使用レンズに合わせて選べる。 


・37mm-49mm

・46mm-62mm

・58mm-77mm

・67mm-82mm

※全てのサイズ既に発売済みですが、Magnetic NDとMagnetic Black Mistは67-82mm対応のみリリース済みとなります。


REVORING Vari ND CPLに搭載されている可変式NDフィルターでは、減光効果を可変させることができ、ND3〜ND1000、すなわち1.5段分〜10段分の広い範囲で減光することが出来る。複数のNDフィルターを必要とする変化を一つの可変式NDフィルターで賄うことが出来る為、交換の手間やカメラバッグ内のスペース確保にも繋がるのである。

この機能性の高さが初めに記載したような一瞬のチャンスを逃さずに捉えるということに繋がるのだ。


風景写真と可変式NDフィルター


先述したように、可変式NDフィルターを用いればフィルターを交換する時間が省ける。

その為、シャッタースピードを自由に決めることができるのである。


例えば山から流れ落ちる滝雲撮影時、風などの状況によって10秒が良いのか、30秒が良いのかを撮影しながら設定する必要がある。雲は一瞬で形を変えて消えていく為、素早く設定して多くのシャッターを切ることが重要になる。

また、渓流などの水の流れを撮影するときにも役に立つ。水量や光の当たり方によって、シャッタースピードを瞬時に設定しながら撮影することで、新たな表現を生み出すことが出来るのだ。


◆REVORING Vari ND CPLなし



◆REVORING Vari ND CPLあり



上に掲載した作品では、岩に当たって弾け、跳ね上がる水の動きを残したかった為、0.5秒〜1.5秒の間でいくつかシャッタースピードを変えて撮影したものである。

このような繊細な設定変更を簡単且つスピーディーにすることをアシストしてくれるのが、シームレスに減光効果を発揮できる可変式NDフィルターの魅力なのである。


万能なREVORING Vari ND CPLだが、一つだけ欠点がある。

それは広角域で撮影した場合、色むらが現れてしまうところだ。

広角レンズで撮影する際、NDの濃度を濃くしていくとクロス状に色むらが出るので、光の強い日中の渓流や海などをダイナミックに撮影することが難しい。これは可変式NDフィルターの機構上の問題である。


しかし...その悩みを解消するフィルターが発売された!


その商品が「Magnetic ND 16 for REVORING Vari ND3-1000 CPL」である。

このフィルターはREVORING Vari ND CPL専用のフィルターで、マグネット式で前面に装着することが出来るのだ。

(以下、Magnetic ND)


◆Magnetic ND



REVORING Vari ND CPLは広角域で使用する際にポジション5(ND32)あたりから色むらが現れる為、それ以上のND効果をかけたい場合は、Magnetic NDを装着することで減光効果をプラスすることが可能である。ND16,ND400のバリエーションがあり、この2つがあればほとんどのシチュエーションに対応することが出来るだろう。

ただ、フィルターを重ねることに不安を感じる人もいるであろう。

しかし、このフィルターには透明度の高い光学ガラスを採用し、低反射で均等なNDコーティングをしている為、レンズの本来の性能を損ねることなく安心して撮影することができるのだ。


◆REVORING Vari ND CPLのみ



◆REVORING Vari ND CPL+Magnetic ND



上に掲載した作品は16-35mmの広角レンズを使って、REVORING Vari ND CPLにMagnetic NDを装着して撮影したものである。

先述したように、レンズの性能を落とさない為、光芒をダイナミックに撮影する際に、広角レンズでもREVORING Vari ND CPLを躊躇なく使用できる。また、光芒は逆光で明るい為、大幅に減光する必要がある。ND16だけでなく、ND400も持っていることで幅広い撮影シーンに対応できるので、オススメである。


CPLフィルターを一体化


REVORING Vari ND CPLのもう一つの便利な点はCPLフィルターも一体化されているということだ。

青空を濃く表現したり、葉っぱや水面の反射を抑えて撮影できるCPLフィルターは、風景撮影には欠かせないアイテムである。そのCPLフィルターをNDフィルターと同時に使用できるのは大きなメリットである。

仮に一般的なCPLフィルターとNDフィルターを重ねて使用すると、ケラレが生じることもあるのだが、REVORING Vari ND CPLに関してはその心配もない上、装着もワンタッチで両方を同時使用できるというのが最高の魅力である。


◆REVORING Vari ND CPLのみ



◆REVORING Vari ND CPL+内臓CPLフィルター



上に掲載した作品は渓流をスローシャッターで捉えたものである。川面に対岸の森が映り込んでいるが、水の飛沫が反射して白っぽく写っている。CPLフィルターを使って水面の反射を少し抑え、青色や岩のオレンジが見え、川面の表情をより華やかに捉えることができている。

GNDフィルターと組み合わせる


いわゆるハーフNDと呼ばれるGNDフィルターを、REVORING Vari ND CPLの前に手持ちでかざして使用することもできる。フィルターの半分だけ減光効果がかかっている為、朝夕の地平線など輝度差の大きいシーンで、空の白飛びや大地の黒潰れを防ぐことができる。


◆REVORING Vari ND CPLとNDフィルターを手持ちで組み合わせ



手持ちの良いところは、GNDフィルターを少し揺らしながら撮影することで、ND効果の境目を目立たせず、自然に描写ができる点である。また、山の稜線に合わせて2枚のGNDフィルターを斜めに重ねて使用することもできる。


H&YのGNDフィルターはマグネットフレームに囲まれており、手持ちで扱いやすい。

また、ゴリラガラス採用で落としても割れにくく、傷が付きにくいコーティングで手持ちでも安心して使える。

そして、何よりもREVORING Vari ND CPLならではの機動力も損なわずに済むのが良い。

GNDフィルターは境目がはっきりしているハードと境目が柔らかいソフトがあり、減光効果もND4~16までと様々なバリエーションが用意されている。


◆REVORING Vari ND CPLのみ



◆REVORING Vari ND CPL+GNDフィルター



上に掲載した作品はREVORING Vari ND3-ND 1000 CPLとグラデーションNDフィルターを使って撮影した。長時間露光をすることで、流れゆく霧のボリューム感と滑らかさを得つつ、空の明るさをグラデーションNDで抑え、暗部の橋や林のディティールを美しく表現することができた。


ブラックミストフィルターが登場


さらに、REVORING Vari ND CPLの進化は止まらない。

対応するマグネット式のブラックミスト「Magnetic Black Mist for REVORING Vari ND3-ND1000 CPL67-82mm」も発売されたのだ。

(以下Magnetic Black Mist)


◆Magnetic Black Mist



ブラックミストという言葉は、風景写真の世界ではまだ馴染みがないかもしれない。

ソフトフィルターのように光を拡散して柔らかい効果を得ながら、被写体のシャープ感を損なわずに撮影出来るのが大きな特徴である。


星空撮影でソフトフィルターを使うと、大地の描写が眠たい印象となり、困ってしまうことがあるのだが、Magnetic Black Mistを使うと大地のシャープな描写を保ちつつ、星のハイライトだけを拡散して強調することが出来るのである。

効果は3種類あり、先行して1/4が発売された。秋頃には1/2,1/8も追加される予定だ。

1/2が最も効果が強く、1/8が最も効果が弱い。


◆REVORING Vari ND CPLのみ


◆REVORING Vari ND CPL+Magnetic Black Mist















































曇天で花畑などを撮影すると、自然なソフト感をプラスすることができ、シネマティックな雰囲気を楽しむことができる。この作品は1/4の効果のMagnetic Black Mistを用いて撮影したが、ナチュラルなタッチでわざとらしさを感じることがなく、優しい印象の仕上がりになった。また、夜景の場合は光を大きくして華やかでロマンティックに撮影することもできるので、ぜひ使って頂きたい。



専用キャップで安心感をプラス


GNDフィルターと違いREVORING Vari ND CPLはゴリラガラスではないが、傷つきにくい処理とコーティングがされている。REVORING Vari ND CPLをカメラに装着したまま移動する時、さっとフロントキャップを付けて保護することが出来るのは、安心感があり、とても心強いと言えるであろう。


◆マグネット式のキャップ



◆キャップを装着した様子



キャップの裏側にはベルベット素材を使用し、レンズの傷を防止。また、フロントキャップとリアキャップの両方をつければ、よりコンパクトになり、REVORING Vari ND CPLをポケットに忍ばせて持ち運びが可能になるのだ。高級感のある質感とデザイン性が撮影意欲高めてくれる。



まとめ


近年、フィルターワークを使った自由な表現の風景写真が多く見られるようになった。

REVORING Vari ND CPLをベースに必要なアクセサリーを追加していくことで、表現の幅が広がり、様々な作品がさらにたくさん生まれてくることに期待したい。


簡単且つ迅速に使用が出来るので、手間や面倒な装備から精神的にも物理的にも解放される。昔はフィルターを買い足す毎にカメラバッグのスペースを圧迫していたが、これ一つで様々な機能を賄え、バッグ内のスペースのゆとりも確保することが出来る。また、雨風にさらされる風景撮影の現場では、フィルターを破損させないように細心の注意を払う必要があった。

しかし、H&YのGNDフィルターはゴリラガラスという強化ガラスを採用し、薄いガラスにも関わらず衝撃や曲げに非常に強く、傷も付きにくい為、その耐久性と安心感から撮影に集中することが出来るのである。


REVORING Vari ND CPLは動画撮影に人気のある製品だが、風景写真においても非常に便利で活躍出来るアイテムだ。その機動力と高機能性を手にすることで、風景のシャッターチャンスをさらに捉えられるようになるであろう。










Text : Kazuma Nishimura