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『写真新世紀』最後のグランプリが決定
賀来庭辰さんの『THE LAKE』が受賞 -
会場はJR恵比寿駅から徒歩5分の東京都写真美術館。
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作品の展示方法も審査の対象となる。
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2020年度グランプリ 樋口誠也さんの新作個展「super smooth」も同時開催。
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前列は優秀賞受賞者、後列は審査員。
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『写真新世紀』は1991年からはじまった新人写真家の発掘・育成・支援を目的としたキヤノンの文化支援プロジェクト。最後となる第44回公募は2191名がチャレンジし、優秀賞7名、佳作14名が選出されました。その優秀賞7名の中からグランプリを選ぶグランプリ選出公開審査会が11月12日に行われ、最後のグランプリが賀来庭辰さんの『THE LAKE』に決定しました。
【グランプリ】
賀来庭辰「THE LAKE」
【優秀賞】
千賀健史「OS」
テンビンコシ・ラチュワヨ「Slaghuis II」※
中野泰輔「やさしい沼」
光岡幸一「もしもといつも」
ロバート・ザオ・レンフイ「Watching A Tree Disappear」※
宛超凡「河はすべて知っている-荒川」【審査員】
ライアン・マッギンレー(写真家)※
オノデラユキ(写真家)
清水穣(写真家評論家)
グエン・リー(シンガポール国際写真フェスティバルディレクター)※
椹木野衣(美術評論家)
安村崇(写真家)
横田大輔(写真家)※欠席
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優しく作品についての思いを語る賀来さん。
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湖を3カ月にわたり記録した25分52秒の映像作品。
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今年も写真新世紀のグランプリを決めるグランプリ選出公開審査会を取材させていただきました。会場は恵比寿ガーデンプレイスにある東京都写真美術館。グランプリ選出公開審査会は優秀賞受賞者7名がステージでひとり7分のプレゼンテーションを行い、審査員からの質疑応答に応えるかたちで行われました。
優秀賞の作品は静止画が5作品、動画が2作品で、「写真で何ができるだろう? 写真でしかできないことは何だろう?」をテーマにしている写真新世紀だけに、一般的な“写真表現”の枠組みにとらわれない秀作ぞろい。グランプリを獲得した賀来さんの作品は25分52秒の映像作品で、冬の湖に3カ月間滞在し、湖が凍ってから溶けるまでを記録した素晴らしい作品でした。
グランプリを受賞した賀来さんには奨励金100万円と副賞としてミラーレスカメラEOS R5とRF24-70mm F2.8 L IS USMが贈呈され、次年度における個展開催の権利が授与されました。
1991年のアナログの静止画からはじまった『写真新世紀』が映像作品のグランプリで幕を閉じるとは時代の変化を感じました。 -
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スライドを使いながら作品をプレゼンしていく。
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グランプリを獲得し喜びを語る賀来さん。
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『写真新世紀』の公募は今年が最後になってしまいましたが、来年は歴代の受賞作品を展示する『写真新世紀30周年回顧展』を秋に開催予定。展示されるのは一般投票により選ばれたトップ10の受賞作品。現在、投票を実施中。対象となる作品はグランプリだけでなく、優秀賞、佳作など全ての歴代受賞作品で、2022年4月2日まで投票を受け付けています。
投票期間:2021年10月16日(土)~2022年4月2日(土)
発表:2022年4月15日(金)写真新世紀HP&Twitter投票はコチラ
https://global.canon/ja/newcosmos/news/topics/20211027-30thaward/
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text:SATO TAKESHI
photo:SUZUKI HIROYUKI