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  • KANIフィルターで創るHASEOの比類なき作品世界【CASE①】
    話題の“ブラックミスト”Cinema Diffusion Filter編



ポートレートを撮っていると、その時々、個々の熟練度によって様々な壁が自身の前に立ちはだかることがありますよね。 初心者の頃はモデルさんとコミュニケーションを取りながらただシャッターを押すだけで楽しかったはずなのに。 スタジオで上手くライティングができて、とても美しい写真が撮れた時に、素直に感動したはずなのに。 なんだか最近、自分の撮る写真にマンネリを感じてしまうことがある(それだけベテランになっているのかも)…… フォトグラファーあるあるです。

そんなジレンマに陥ってしまった時、写真に「魔法のスパイス」を掛けることができるアイテム、 それが今回から3回にわたって紹介する「レンズフィルター」です。 もちろん魔法のスパイスを掛けることだけがフィルターの役割ではありませんが、それは次回以降にさせていただくとして。

本来はしっかりと自分の作品世界を「表現するため」に、どんな機材をどんなセッティングで使うのかということの延長線上に 「レンズフィルター」があるべきだとは思いますが、もっとライトにフィルターを使ってみても面白いと思います。 そんな時に一番ぴったり来るフィルターが、ポートレートを楽しむフォトグラファーなら知らない人がいないであろう 近年のトレンドワード第1位(※個人の感想です)「ブラックミスト」。 フィルターを付けた瞬間、出てくる絵を見て「おおぉ〜」と思わず声を出してしまうこと請け合いのやつです。 今回は多くのメーカーから発売されている中から「KANIフィルター」のブラックミストフィルター 「Cinema Diffusion Filter」を、ユーザーである“オンリーワンフォトグラファー”HASEOさんの作品とともに紹介してみたいと思います。




ブラックミストってなんだ


「ブラックミストフィルター」自体は以前からあるもので、もともとは映像系の撮影などで使われていたとかいないとか。それがなぜ近年になってバズっているのか。ムービーも撮るフォトグラファーが増えたというのも関係しているのでしょうか。ゆるりと説明すると「ブラックミストフィルター」とは写真のコントラストを下げてふわりとした雰囲気を絵に与えてくれるフィルターです。いつもの写真、何気ない写真を、なんだかいい感じの写真にしてくれる凄いフィルターなのです。カメラやレンズの進化は、高画素、高精細、広いダイナミックレンジとスペックインフレが起こっているのに、わざわざフィルターを入れることで、写真の仕上がりとしては別方向にすすんでいるところが大変興味深いですね。

かんたんに素敵な雰囲気の写真にしてくれるフィルターですが、使い所を間違えるとすぐに“やりすぎフォト”も量産してくれる劇薬の部類に入るフィルター。KANIフィルターの「Cinema Diffusion Filter」には効果の強さ別にNo.05、No.1、No.2、No.3、レンズ径49mm〜95mm(10種類)が用意されています。KANI製品が唯一実現している低反射コーティングを施してあるので逆光時や強い点光源がフレーム内にある場合でも過剰なフレアが抑えられ、ディテールの芯を残しながら美しい光のにじみが得られるとても使いやすいフィルターになっています。とはいえ明確に作品の仕上がりイメージがある場合以外はNo.05かNo.1あたりが、ポートレート撮影としては使いやすいと思います。 光の拡散効果でモデルさんの肌も滑らかに描写してくれるところもうれしいポイントです。




HASEOさんの作品における
フィルターワーク


PASHA STYLEのポートレートナビゲーターでもあるフォトグラファーHASEOさんは、自身の作品の中に積極的にフィルターを取り入れて、すでに唯一無二の世界観の可能性を更に探っていこうとしています。KANIフィルターの「Cinema Diffusion Filter」を使用した作例から、ぜひフィルターワークのヒントを読み解いてこれからの作品撮影に活かしてください。



KANI Filter:Cinema Diffusion Filter No.05


KANI Filter:Cinema Diffusion Filter No.1


KANI Filter:Cinema Diffusion Filter No.2


KANI Filter:Cinema Diffusion Filter No.3



text:Kimihiro Kawano