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【雑誌連動企画】X(cross)shooting…ロケレビュー
編集長ooxo ×ニッシン/MG60
コンパクトなボディに大光量と
連続発光にも耐えうる安定した性能
ハードなロケにMG60を持ち込む!
都内に夕方から雪が降り道路状況も危うかった2月10日の午前。ダンサーの大前光市さんとその仲間たちは東京駅前に集合していた。なぜか天気に恵まれず、数回とリスケとなっていた作品撮りの最後のチャンス、そんな予定がやはりこの日も雪になるという最悪の予報ともに始まった。
今回のロケは、「断崖と海をバックに天使が踊る」そんなビジュアルを考えていた。そのため意匠は天使の羽をイメージし、白基調の衣装は大きく広がるように作り込まれていた。それゆえに天気はとても重要だった。できれば雲間から光が射す、晴れの日。しかしながらリスケを重ねながらも最後まで天気は味方についてくれなかった。
スタートから雲行きの怪しい作品撮りのロケレビュー。果たして、チームooxoは作品の完成にどうリーチしていくのか……。
Nissin DIGITAL
MG60
発光部に高耐熱クオーツ管(特許取得済)を採用し、最大ガイドナンバー60(ISO100/200mm 時)を実現する。フルパワーでの連続発光にも耐えるタフネス仕様で、シャッタータイミングを逃すことなく撮影に集中させてくれる。コンパクトで、機能性に優れたクリップオンストロボ。
【使用機材】
SONY α-7RⅣ / FE 24-70mm F2.8 GM /Nissin DIGTAL Air10s / Nissin DIGTAL MG60
スピードライト・バッグ SB-01 / スーパーライトスタンドEX LS-55C / コンパクトアンブレラ CU-90W(ホワイト)/CU-90T(トランスルーセント) / フリーチルター FT-01
スピードライト・バッグ SB-01にこれらのキットが全て収まって、小さなバッグ1個での貸出となった。これならロケ現場での移動も苦にならない。
足場の悪い砂浜。悪天候。だからこそ
MG60は光を作るには最高過ぎた!
作品のイメージは早くから出来ていた。しかしそれは何となく、そしてぼんやりとしたもので、どう作り込んでいこうかと悩んでいた。冒頭にも書いたが、この撮影は何度かリスケされたのだが、その合間でモデルとなる大前光市さんに直接お会いすることができた。大前さんと、ヘアメイクを担当してくれたhonoka.さんと世間話を交えて話しているうちに、『ダンサー大前』という「躍動感に溢れ、がむしゃらに毎日を生きる人間像」に辿り着いた。
そのおかげもあって、自分の中にぼんやりと浮かんでいたイメージはハッキリとしたビジョンとなって撮りたい絵を頭に描いた。そうなれば、あとは頭の中にあるものを具現化するだけである。
いろんな思いを汲み上げ「己の中に抱える闇、苦悩の末に自分の進むべき道へと邁進する天使」というテーマで作品を作ることにした。
そしてドレスデザイナーの眞子さんの衣装もイメージ通りに出来上がり、ヘアメイクのイメージも固まった。それなのに……肝心な撮影日が夕方から雪になる予報の雨。正直、もう一度リスケかとも思ったが、流石のリスケ続きにスタッフのモチベーションもこれ以上は保てない。そして何よりメンバー全員のスケジュールも押さえきれない。
それもあり今回は強行することにしたのだ。午前中集まった車内で緊急会議である。
「ロケ場所まで片道2時間半かけて行くべきか。それとも1時間以内で行ける川辺にするべきか。」
遠くまで行くと、雪に降られて立ち往生といったリスク故の会議だった。そこで大前さんの口から出た言葉は「撮影は苦難が多い方が後で楽しい思い出になる。海へ行こう」というひと言。このひと言で全員の行き先と覚悟は決まったのであった。
2時間半かけ、千葉の南側まで車を走らせた。到着した時には雨は結構強め。車内でヘアメイクに取り掛かる。待つこと1時間半ほど。用意ができた大前さんは上半身はほぼ半裸だった。当日の気温は5度。風も強く吹いていた。こうなると一番難しいのは撮影だ。モデルの体力を考えると時間は取れない。雨風でレンズは濡れるし、ストロボを使うにもスタンドは使えないのでスタッフが手で持つしかない。作りたい画を考えると1灯は頭上から光を入れたい。そうなるとスタンドで高い位置へと光源を持ち上げなければならないが、この日のスタッフは女性2名。モノブロックの大きなボディをスタンドの先につけて持ち上げたら相当キツい。しかも足場は砂浜となると転倒の可能性も視野に入れて考えないといけない。
……実にリスキーな現場となった。
浜について、ヘアメイクとスタイリストが最終チェックをする5~10分程度。この隙にライティングのセットをする。
ライティングのイメージは、1灯は頭上、雲間から射す一筋の光をイメージ。もう1灯はモデルの影を弱めるレフ代わりのために正面気味からの2灯ライティング。(※イラスト参照) 大体の位置関係をスタッフに説明し、撮影中は動き回るモデルに対してフレキシブルに光を添えていく。とはいうもののこれを実行するのがまず難しい。今回、この状況を予想してニッシン MG60をお借りしていったのだが、まさにこれが功を奏した。写真には写っていないがスタンドを目一杯伸ばした先にMG60を付けたので高く持ち上げて移動するだけでも結構大変なはず。しかしカーボンの軽量スタンドと小型のMG60ならモノブロックに比べれば手軽である。そして雨が降り寒さが増す中、撮影時間の限度は5~10分程度を2回のみ。その中で2灯の光バランスを見ながら随時モデルとの距離によって微調整するのにi60Aは最高に効率が良かった。何より安定したストロボ発光は限られた時間の中でこれほどありがたいものはない。頭上はほぼフル発光から1/4程度をリアルタイムで調整していたが、しっかりとついてきてくれた。
スポット的に入れたい光と影を落とすための広めの光など、それらの調整もi60Aのおかげで手元で素早く出来る。今回の描写ポイントは、躍動感……それをブレで表現しようと考えていた。ストロボを使うことで芯が残り、ブレも生きてくるのではないだろうか。肌に滴る雨筋と降り注ぐ雨粒、ストロボでなければできない描写をイメージ通りに表現してくれている。フォトグラファーとしては大満足の仕上がりだ。
小さなボディに大きな光量、そして安定した発光と手元でコントロール出来る便利さ。ニッシンのMG60をはじめとしたストロボセットは、悪環境では本当に最高の結果をもたらしてくれた。
ISO100 f8.0 1/50
(左)ISO100 f8.0 1/50、(右)ISO100 f9.0 1/80
ISO100 f9.0 1/80
ISO100 f9.0 1/80
結果良ければということで、帰る頃には波でぐっしょりと濡れたパンツと雨を吸いに吸って泥のように重くなったダウンジャケットの強い不快感すら、いつの間にか心地よいものに感じた……。
そして帰路につき千葉を間もなく出ようという頃、雨は雪に変わり瞬く間に道を白く覆った。当然車は東京まで辿り着けず、JR千葉駅にて今回のツアーは強制解散となった。おしまい。
PASHA STYLE Chief Editor
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assist:キザクラ / ヌエ (instagram:@nuezakura)
X(cross)shooting協力メーカー
今回撮影された作品は、雑誌PASHA STYLE Vol.8に掲載されています。
ぜひそちらと併せてお楽しみください。
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