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  • 【PASHA REVIEW】『NOKTON 40mm F1.2 Aspherical』の魅力を徹底解説
    PASHA STYLEアンバサダーmokkunがテストシュート





9月15日にフォクトレンダーからポートレートに最適なボケ味が魅力の大口径レンズ『NOKTON 40mm F1.2 Aspherical』が発売されました。コシナHPを見ていただくとわかるのですが、作例はPASHA STYLEアンバサダーのmokkunさんです。なんと発売前のレンズをコシナさんから極秘でお借りして秘密裏に作例を撮影させていただきました。今回、使用したレンズはフォクトレンダーのレンズの中でも開放F値がF1.5以下の大口径レンズにのみ与えられる“NOKTON(ノクトン)”の称号を与えられた1本。ニコン Zマウントフルサイズ用(ニコンFXフォーマット)として初のノクトンレンズで、フルサイズユーザー待望の大口径F1.2レンズ。それではmokkunさんのコメントを交えながら『NOKTON 40mm F1.2 Aspherical』の魅力を徹底解剖したいと思います。


【STAFF】

Photographer:mokkun(TwitterInstagramHPYoutubePASHA STYLE

Model:KA(Instagram




作例① シャッター速度:1/500 絞りF1.2 ISO100 カメラ:Nikon Z9


PASHA STYLE「このレンズを使うにあたって意識したことありますか?」


mokkun「今回は作品づくりというよりはレンズの特徴の開放F1.2を活かした撮影をしたかったので、早朝の海をバックに撮影しました」


PASHA STYLE「使ってみた印象を教えてください」


mokkun「作例としてドラマチックな逆光とオーソドックスな順光の2種類を撮影しました。逆光で撮影したものにはストロボも使っています。焦点距離が40mmの広角寄りのレンズなので、風景を活かすシチュエーションを心がけました。開放F1.2を使った立体感のある画が撮れてよかったです」




作例② シャッター速度:1/125 絞りF4 ISO100 カメラ:Nikon Z9

PASHA STYLE「開放F値(F1.2)で撮影するのは難しい印象があるのですがどうでしたか?」


mokkun「普通の撮影に比べるとF1.2の撮影は難しいのですが、僕の場合は普段からマニュアルレンズを動画撮影で使っているので、問題なく使用できました。マニュアルレンズに慣れていない人はちょっと大変かもしれません。特に作例①は難しいと思います。あのカットは僕も水の中に入って波に揺られながら撮影しています。F1.2はピントが浅いので本当は拡大表示をしてシャッターを切りたいのですが、常に波に揺られているので、拡大表示でピントを合わせても波に揺られるとピント位置がズレてしまう。しかたがないので拡大機能は使わずにモデルさんと波で揺られるタイミングを合わせて撮影しました」




作例③ シャッター速度:1/500 絞りF1.2 ISO100 カメラ:Nikon Z9


PASHA STYLE「順光と逆光とそれぞれ使った感想を教えてください」


mokkun「順光の撮影は非常に撮影がしやすかったです。簡単にすごく良く写ってしまうのでちょっとムカつくぐらい(笑) 逆光に関してはF1.2をメインに撮影しているとフリンジがでることに気が付きました。これはこれで雰囲気がある画が作れるので作品としてはありだと思います。ただ作例なので全身をカッチリと描写させたかったので絞ったカットも撮影してみました。F4ぐらいまで絞るとカッチリとした画が写せます」






 


作例①の拡大
作例②の拡大





作例④ シャッター速度:1/1000 絞りF1.2 ISO100 カメラ:Nikon Z9


PASHA STYLE「Youtubeで動画作品を作られていると思うのですが、動画には使えそうですか?」


mokkun「スチールの撮影だと40mmだと広角寄りですこし難しい印象があると思うのですが、動画撮影でシネスコサイズにすると上下が帯になるので40mmは標準レンズいう感じで使いやすい焦点距離です。あとピントリングが軽いフィーリングだったのでムービーで使用するのがちょうどいい滑らかさですね。ひとつ残念だと思ったのが絞りリング。クリック感がある仕様だったのでEマウントで採用されているクリックなしに変更できる機構になっているとよかったなぁと思いました」







 


 


スチールとムービーを同時に撮影するMokkunさんのカメラはフラッグシップモデルZ9。
ピントリングは軽く、スムーズに操作ができるので動画撮影にもちょうどいい。
絞りリングはクリック感がある仕様。動画撮影にはクリックなしがあると嬉しいところ。


スナップにも使ってみました



作例⑤ シャッター速度:1/1250 絞りF2.8 ISO100 カメラ:Nikon Z9


ここからは編集部サトーがスナップ撮影した写真を見ながら『NOKTON 40mm F1.2 Aspherical』の特徴を解説していきたいと思います。フォクトレンダーのマニュアルレンズの一番の特徴は電子接点を搭載しているところ。ピントを手動で合わせるマニュアルレンズに電子接点が必要?と思ってしまうところですが、この電子接点があることでレンズとボディ間で電気通信を実現し、ボディ内手ブレ補正(3軸)や3種類のピント合わせサポート機能を使用することができます。







 


 


電子接点を搭載することで手ブレ補正やピント合わせサポート機能、EXIF情報に対応。
絞りは10枚羽根の虹彩絞りを採用することで美しいボケ味を実現している。
スナップ撮影にはZ7を使用。メカメカしいカメラボディとベストマッチ。


特に感動したのがピント合わせサポート機能。マニュアルフォーカスレンズなのにピントが合うとフォーカスポイント枠の色が変化するので、拡大機能を使わない時でもピントが合った瞬間が確認できます。普段AFを使っている人にとってピントが合った時にフォーカスポイントの色が変わるのは嬉しいところです。





 


作例⑥ シャッター速度:1/1600 絞りF1.2 ISO100 カメラ:Nikon Z7


作例⑦ シャッター速度:1/5000 絞りF1.2 ISO100 カメラ:Nikon Z7




スナップ撮影でF2.8ぐらいで撮影する場合はピントもそれほどシビアではないのでフォーカスエリアの色を見ていれば拡大表示を使わなくて問題なくピントを合わせることができました。もちろん開放F1.2で撮影したい場合や厳密にピント合わせをしたい場合は拡大表示を使うのがオススメ。あとコントラストの高い部分に色を付けるピーキング機能も使えるので、画面全体を見ながらピントが確認できマニュアルフォーカスでも撮影し易かったです。






 





作例⑧ シャッター速度:1/8000 絞りF1.2 ISO100 カメラ:Nikon Z7

作例⑨ シャッター速度:1/1600 絞りF2.8 ISO100 カメラ:Nikon Z7




実際の撮影を行って写りの面での感想としては、とにかく開放で撮影するとボケが美しい。背景が滑らかにボケてくれるので自然とピントが合った部分に視線が誘導されます。作例⑧を見るとわかるのですが、開放F1.2で撮影した画像を拡大してみるとハイライト側に少し収差が出て全体的にふわっとした柔らかい描写をしてくれるので、女の子を撮影する時にすごい武器になりそうです。作例⑨のようにF2.8ぐらいまで絞ってあげれば収差が改善されてシャープな描写をしてくれます。





 


作例⑩ シャッター速度:1/160 絞りF1.2 ISO100 カメラ:Nikon Z7

作例⑪ シャッター速度:1/2500 絞りF1.2 ISO100 カメラ:Nikon Z7






まとめ

今回、アンバサダーのMokkunさんにテストシューティングして貰い、自分でもテストさせて貰った感想としては、ピント以外は手振れ補正や拡大表示など最新カメラの機能が使えるので、電子接点を搭載している『NOKTON 40mm F1.2 Aspherical』は今までマニュアルレンズを触ったことのない、オールドレンズ的な写りにもちょっと興味がある方にオススメの1本です。





 





最後にレンズの見た目の話。ニコンのZシリーズはメカメカしいデザインのカメラなのでフォクトレンダーのデザインとの相性もバッチリ。サトーはAPS-CのニコンZfcユーザーなので、自分のカメラに装着してみました。クラシカルなデザインとの相性も◎。焦点距離40mmをAPS-Cサイズのカメラで使うと60mm相当となるので、実はAPS-Cのカメラでも標準粋として使えるのだからニクイレンズです。



NOKTON 40mm F1.2 Aspherical

【仕様】

焦点距離:40mm

最小絞り:F22

レンズ構成:6群8枚

絞り羽根:10枚

最短撮影距離:0.3m

サイズ:67.7×53.9mm

フィルター径:58φ

質量:315g

マウント:ニコンZマウント

レンズフード:専用ねじ込みフード付属

価格:11万5500円(税込)

発売日:2022年10月発売予定

 

 

 

text:SATO TAKESHI