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  • 【雑誌連動企画】X(cross)shooting…シューティングレビュー
    舞山秀一×コシナ/Voigtländer NOKTON 50mm F1 Aspherical






ロマンあふれる”F1.0”の世界を
ファッションフォトグラファー舞山秀一さんが撮る!

HIDEKAZU MAIYAMA × Voigtländer NOKTON 50mm F1 Aspherical
X(cross)shooting !



素晴らしい天気に恵まれたCONTACT STUDIO。天候で大きくイメージが左右されるインダストリアルなエッジの効いたスタジオ

春の日差しがいつもより強めに射し込む3月の某日。PASHA STYLEがセッティングするフォトグラファーとメーカー、一期一会の目玉コラボレーション企画「X(cross)shooting!」が、海沿いのスタジオ「CONTACT STUDIO」で行われるということで、その貴重な機会を覗かせていただいた。
今回のコラボメーカーは、高品質でこだわりの詰まったマニュアルフォーカスレンズ群で国内に多くのファンを持つレンズメーカー「コシナ」。そのコシナから、Mマウント、RFマウント、Zマウントに続き、満を持して発売された待望のSony Eマウント用交換レンズ「Voigtländer NOKTON 50mm F1 Aspherical」を使用した作品撮りの依頼が届いたのだ。コシナの依頼フォトグラファーは、ファッション写真で活躍する舞山秀一さん。コシナと舞山さんのコラボレーションは2度目になるのだが、今回も舞山さんならではのイマジネーション溢れる作品を見せてくれるはずだ。





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レンズの詳細はメーカーページをご覧ください


このコラボレーションを行うにあたって事前に舞山さんから数枚のサムネールが届いた。このレンズを使った撮影プランの一端を描いた、3人の人物が立ち並び、離合集散するようなイメージラフ。何も無い空間に佇むシルエットだったり、表情が見えるカットがあったり、1本のストレートな地平線や少し凸凹とした線が描かれていたりする。フォトグラファーの頭の中を覗き見るような贅沢さだが、ラインを追うだけでは実際の着地がどうなるのかは伺い知れないだけに、仕上がりを想像し期待が膨らむ。




真っ白なスタジオ内はサムネールが描かれたノートの1ページだ。そこに午後の強い光が差し込み、光と影を作り出す。刻々とその表情を変えていくスタジオという空間にフォトグラファーはどう筆を走らせていくのだろうか。モデルの準備が整ったところで事前にテスト撮影をしていた写真を見せてもらう。こういうことか!と頷く以外にないビジュアルがそこにはあった。白い空間に溶けながら浮かび上がる人物のシルエットがあるかと思えば、不意に現れるピント面の瞳の光。「絞り“F1”という特別なレンズを最大限に楽しむ撮影をするなら、ピントがあるとかないとか、そんなことに縛られる作品にはしたくない」それがこの“F1.0”レンズを使うということの意味だといわんばかりに舞山さんは語ってくれた。Sony α9のボディに大口径のレンズが組み合わさったビジュアルは高級感が溢れ、手の中にジャストなサイズ感で収まる。いよいよフォトグラファーとモデルのセッションがはじまろうとしている。



今回のモデルはダンサーでもあり振付師でもある村野みりさん、俳優の久世珠璃さん、ポートレートモデルのポニもえかさんというそれぞれが違うキャラクターをもっている3人だ。まずは1人ずつソロでファインダーの前に立ち、フォトグラファーと対峙する。舞山さんは常にモデルに声をかけながら、離れたり、寄ったりを繰り返す。モデルもまた、同じ場所に留まることがない。舞山さんの撮影ではフォトグラファーもモデルも常に縦横無尽に動き回り、そのフレーミングは有機的に変化していく。ピントのコントロールは自分の身体を前後させながら行っているようだ。それでなくても薄氷を踏むような薄いピント面のF1レンズを開放で使いながら動き回るのだから、ピントリングだけには頼れない。刻々と偶然と必然が綯い交ぜになった、フォトグラファーが狙った世界が記録されていく。



MODEL ♥ 村野みり(X / instagram) ♥ 久世珠璃(X / instagram) ♥ ポニもえか(X / instagram
HEAR&MAKE UP ♥ 髙良まどか(instagram
STYLIST ♥ ユコ(X / instagram





一通りソロを撮り終わるといよいよ3人が一緒の空間にスタンバイする。燦々と陽が溢れる空間で、シャッタースピードを落としたい舞山さんは、ND16フィルターを2枚掛けにして次のイメージを捉えようとする。晴天下のスローシャッターポートレートを撮るならMFレンズにビハインドが無くなるどころか、逆にこのレンズのフォーカスのしやすさがアドバンテージになるシーンだった。3人のモデルは時には規則正しく、時には無秩序にスタジオ内を動き回り続け、時間にして2時間のセッションが終わった。

撮影したばかりの写真が並ぶカメラロールをパラパラとスクロールする。モニター画面を取り囲むモデルとスタッフからは自然と満足と感嘆の声が漏れる。フォトグラファー自身も「イメージ通りの写真が撮れてうれしい」という表情を浮かべながら、ぐるりとスタッフを見回した。


X shooting協力メーカー







 

今回Voigtländer NOKTON 50mm F1 Asphericalで撮影された作品は、
雑誌PASHA STYLE Vol.9に掲載されています。
ぜひそちらと併せてお楽しみください。
全国の書店、Amazon、PASHA STYLE Web Shopにて販売中です。

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【text:kimihiro kawano】