-
キヤノンの最新機種をタッチ&トライしてきました
注目の大口径F1.4レンズ『RF35mm F1.4 L VCM』など
キヤノンの新製品をタッチ&トライできる機会をいただいたので、編集部のサトーが取材に行ってきました。体験してきた新製品は大口径広角単焦点Lレンズ『RF35mm F1.4 L VCM』とエントリユーザー向けの外部ストロボ『スピードライト EL-10』、3D VR180フォーマット対応の撮影が可能となるステレオ魚眼レンズ『RF-S3.9mm F3.5 STM DUAL FISHEYE』、RFマウント採用のデジタルシネマカメラ『EOS C400』、シネマレンズ『CN7×17 KAS T/R1-P1』など。
RFレンズ初の開放F1.4大口径レンズ
RF35mm F1.4 L VCM
『RF35mm F1.4 L VCM』の特長は2015年9月に発売された初代35mm F1.4レンズの『EF35mm F1.4L II USM』と同等以上の高画質を誇りながらも小型軽量化を実現しているところ。重量は初代の約760gから約555g、全長は約105.5mmから約99.3mmに軽量・短縮化されている。さらにRF/EFレンズとして初採用のVCM(ボイスコイルモーター)を搭載することでより早く静粛なAFを実現している。また静止画の撮影はもちろんのこと動画撮影でも活躍できるようにEOSシステムの歴史では長い間不在だったアイリスリングを復活させているのも特長のひとつ。ちなみにアイリスリングを搭載しているRFレンズは2023年12月に発売された『RF24-105mm F2.8 L IS USM Z』に続く2本目となる。
アイリスリングは動画撮影時に使用することが可能。クリック感はなくスムーズに動作するので動画撮影に最適。将来的には静止画撮影でもリングを使えるようにして欲しい。 | 写真上が今回発表された『RE35mm F1.4 L VCM』で、写真下がEFレンズで人気だった『EF35mm F1.4L II USM』。ひとまわり小さく仕上げているのがわかる。 | 開放F1.4と聞くと前玉が大きくなる印象があるが、写真右『RE35mm F1.4 L VCM』、写真左『EF35mm F1.4L II USM』を見るとわかるとおりコンパクトに仕上げている。 | ||
RF35mm
F1.4 L VCM
【仕様】
焦点距離:35mm
最小絞り:F16
レンズ構成:11群14枚(UDレンズ2枚、ガラスモールド(GMo)非球面レンズ2枚)
絞り羽根:11枚(円形絞り)
最短撮影距離:0.28m
サイズ:約φ76.5×99.3mm
フィルター径:前面ねじ込み式φ67mm+リアフィルターホルダー差し込み式
質量:約555g
マウント:キヤノンRFマウント
価格:オープンプライス(キヤノンオンラインショップ25万3000円で発売予定)
発売日:2024年7月上旬予定
詳細はコチラ
エントリーモデルの外部ストロボ
スピードライト EL-10
今回発表された『スピードライト EL-10』は高度な通信機能を備えた「マルチアクセサリーシュー」に対応したエントリーモデルの外部ストロボ。コンパクトなサイズのミラーレスカメラに丁度いいサイズがポイントでガイドナンバーは最大で約40を実現している。単3形アルカリ乾電池新品を使用時のチャージ時間は最大約2.5秒を達成し、連続フル発光可能回数は約55回を実現しているのでテンポよく撮影することが可能。
今回発表された『スピードライト EL-10 』はマルチアクセサリーシューに対応し高度な通信機能を備えたエントリーモデル。写真を見ればわかる通りかなり接点が細かい。 | 電源はマルチアクセサリーシューに対応したストロボとしては初の単三電池を採用。専用バッテリーではないので電池切れの時でも簡単に入手できるのが嬉しい。 | 写真左からフラッグシップモデルのスピードライトEL-1、EL-5、EL-10。今回発売されたEL-10がミラーレスのボディにピッタリの軽量コンパクトになっているのがわかる。 | ||
スピードライト
EL-10
【仕様】
ガイドナンバー:約40(ISO100/m・照射角105mm)
照射角:24~105mm(ワイドパネル使用時14mm)
電源:単3形電池4本
充電時間:クイック発光
約2.2秒、通常発光 約2.5秒、※アルカリ乾電池使用時
発光回数:約210~1400回※アルカリ乾電池使用時
閃光時間:1/21190~1/790秒
大きさ(幅×高さ×奥行):約70.6×116.3×98.3mm
質量:約287g(電池除く)
価格:オープンプライス(キヤノンオンラインショップ4万3450円で発売予定)
発売日:2024年6月28日
詳細はコチラ
オートフォーカスが使えるようになったVRレンズ登場
RF-S3.9mm F3.5 STM DUAL FISHEYE
今回のタッチ&トライで1番注目したいのがVR180フォーマット対応の撮影ができるステレオ魚眼レンズ『RF-S3.9mm F3.5 STM DUAL FISHEYE』。開発コンセプトは「キヤノンの高画質な4K映像で、より扱いやすいVRシステムを実現」で、VR映像の撮影、編集のハードルを下げるAPS-Cカメラ用VRレンズとなっている。特に注目したいのは左右のレンズを一体的に駆動させる2眼のオートフォーカス機構を搭載したところ。今までマニュアルフォーカスで撮影していたものが、ワンショットAFが可能となり簡単にピント合わせができるようになった。それ以外にはシビアな撮影が要求されていた190°の画角から144°へ変更することで、撮影時に三脚の足が映り込むなどの撮影の難易度を大幅に軽減している。
レンズ後部にはゼラチンフィルターを装着できるホルダーが搭載できるようになっている。ちなみにレンズが2つになっているのが、このレンズの特長。 | 現在はEOS R7のみで使用できる。このレンズの最大の特長はAFが使えるところ。ファインダーでは右側で映し出されたところのAFのフォーカスを使ってピントをあわせる。 | 撮影したデータは専用のアプリを使って編集が可能。VRゴーグルなどの機材を使って再生するとかなり没入感のある映像を楽しむことができる。 | ||
RF-S3.9mm F3.5 STM DUAL FISHEYE
【仕様】
画角(水平・垂直・対角線):144°00‘・144°00‘・144°00‘
最小絞り:F16
レンズ構成:8群11枚
絞り羽根:7枚
最短撮影距離:0.2m
最大撮影倍率:0.03倍
フィルター径:φ30.5mm(後部にゼラチンフィルターを装着可能)
サイズ:約112(幅)×54.6mm
質量:約290g(リアフィルターホルダー含まず)
対象機種:EOS R7
価格:オープンプライス(キヤノンオンラインショップ19万2500円で発売予定)
発売日:2024年6月28日
詳細はコチラ
RFマウント採用のシネマカメラ
EOS C400
『EOS C400』はEFマウントを採用した『EOS C500 Mark II』と『EOS C300 Mark III』の基本性能を継承、進化させながらキヤノンの最新マウントであるRFマウントを採用したデジタルシネマカメラだ。6K フルサイズ裏面照射積層CMOSセンサーをCINEMA EOS SYSTEMで初搭載し、映像エンジンは「DIGIC DV 7」を採用することで6K/60P RAW動画や4K/120Pのハイフレームレート記録を実現している。さらに「デュアルピクセル CMOS AF II」の搭載により、追従性に優れた高速・高精度・広範囲なAF操作を実現しているのがポイント。ボディと同時に発売される「マウントアダプター PL-RF」を使用すれば映画業界などで普及しているPLレンズも使用することができる。ちなみにスチール用として普及しているEFレンズも別売りのアダプターを使えば使用することが可能。
搭載されているレンズは2024年10月上旬に発売予定の『CN7×17 KAS T/R1・P1』。焦点距離は17-120mmをカバーする汎用性が高い1本。マウントはRFマウントとPLマウントを用意している。 | 『CN7×17 KAS T/R1・P1』には新デジタルドライブユニット『e-Xs V』を採用することで運用性&機能性の向上が図られている。ドライブユニットを外してフルマニュアルのシネマスタイルでも使用可能。 | 写真ではキヤノンのPLマウントレンズSumire Primeの50mmレンズを新開発のマウントアダプター PL-RFを使って装着。フォーカス/ズーム/アイリスの位置データなどを記録&表示することができる。 |
EOS
C400
【仕様】
レンズマウント:RFマウント
センサー:35mmフルサイズCOMSセンサー
画素数:総画素数:約2670万画素、有効画素数:最大約1920万画素
ISO感度:160-25600(拡張時100102400)
BESE
ISO:800/3200/12800/自動切換え
センサーモード:フルサイズ、Super35mm Crop、Super16mm Crop
NDフィルター:機械式NDフィルター(2/4/6/8※/10stops※)※拡張選択時
フレームレート:6K 59.94/50.00P(RAW)、4.3K 59.94P/50.00P(RAW)、4K 59.94P/50.00P(RAW/XF-AVC/XF-HEVC S/XF-AVC
S)、2K 59.94P/50.00P(RAW/XF-AVC/XF-HEVC
S/XF-AVC S)
記録メディア: CFexpressカード、SDメカード
液晶モニター:3.5型LCD276万ドット、タッチパネル
サイズ(幅×高さ×奥行き):約142×135×135mm
重量:約1540g
価格:オープンプライス
発売日:2024年9月上旬予定
詳細はコチラ
Text:SATO TAKESHI