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『EOS R6 Mark III』をキヤノンが発表
同時に開放F1.2を楽しめる『RF45mm F1.2 STM』も登場
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キヤノンマーケティングジャパンは、フルサイズミラーレスカメラの新モデル『EOS R6 Mark III』を発表しました。2020年の『EOS R6』、2022年の『EOS R6 Mark II』に続く第3世代モデルで、シリーズの完成形ともいえる進化を遂げています。新製品発表会にはPASHA STYLE編集部のサトーも参加し、実機のタッチ&トライを体験しました。
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筐体のデザインは前モデルをしっかりと踏襲しており、手にした瞬間に“Rシリーズらしさ”を感じる安心のグリップ感があります。ボタン配置や操作系もほぼ同じレイアウトで、既存ユーザーが迷うことなく使える印象です。サイズ感はミドルクラスに最適で、軽すぎず重すぎず、スタジオでもロケでも軽快に扱えるバランスの良いボディとなっています。外観としては『EOS R6 Mark II』から大きな変化はありませんが、完成度は確実に高まっており、既存ユーザーも新規ユーザーも自然と馴染める仕上がりだと感じました。
高画素化と処理性能の大幅進化
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今回のモデルで注目すべき点は、高画素化と処理性能が大幅に進化していることです。センサーは有効画素数約3250万画素へと向上し、従来機より約30%の高画素化を実現しています。それでいて電子シャッターでは最高40コマ/秒の連写が可能で、動体撮影においても優れたパフォーマンスを発揮します。さらに、画像処理の高速化によってバッファ枚数が従来の約2倍に増加しました。高画素化のデメリットを感じさせない、解像力と機動性を両立したモデルに仕上がっています。
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| 記録メディアは高速書き込みに対応するCFexpress(Type B)とSD(UHS-II)のデュアルスロットを採用。高画素化によるデータ量増加にも余裕を持って対応。 | EOSミラーレス初となる“カラーフィルター”を搭載。シネマEOS由来の色調機能で、静止画・動画どちらでも使え、撮影現場で色の雰囲気を直感的に調整可能。 | バッテリーは『EOS R5 Mark II』と共通で、LP-E6系との互換性も継承。電力供給性能が強化され、高速連写や動画撮影など負荷の高い場面でも安定した動作を実現。 | ||
AFアルゴリズムを刷新、被写体検出も進化
『EOS R6 Mark II』で高評価だったAFアルゴリズムもさらに進化しました。動物・鉄道・飛行機・車・馬など幅広い被写体に対応し、追従精度は大幅に向上しています。また、新機能として「登録人物優先AF」を搭載し、特定の人物に確実にピントを合わせることが可能になりました。既存ユーザーから要望の多かった「トラッキングの粘り」も改善され、特にポートレート撮影時の追従性能がより自然になりました。
こうした正常進化により、『EOS R6 Mark III』は動体からポートレートまで幅広い撮影シーンを1台でカバーできる万能機へと進化した印象です。発売日は11月21日を予定しており、価格はキヤノンオンラインショップで税込42万9000円となっています。
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| 『EOS R6 Mark III』は、EOSフルサイズ機として初めて“美肌モード”を搭載しました。新しい美肌処理アルゴリズムにより、肌の質感を保ちながら自然に整える描写が可能。SCNから簡単に設定できるため、ポートレートをより美しく撮りたい場面で即戦力となる機能です。 | 新搭載の“美肌モード”では、新しい美肌処理アルゴリズムを採用することで、肌のなめらかさや色の印象を自然に整える処理が進化し、より質感の高い美肌表現が可能。美肌効果は5段階で調整でき、好みに合わせて最適な仕上がりを選べます。 | |
『EOS R6 Mark III』
【仕様】
有効画素数:約3250万画素
センサーサイズ:フルサイズ(35.9×23.9mm)CMOSセンサー
映像エンジン:DIGIC X
ISO感度:100〜64000(拡張50〜102400)
連続撮影速度:最高約40コマ/秒(電子シャッター)
シャッター方式:電子/メカシャッター対応
記録メディア:CFexpress(Type B)×1、SD/SDHC/SDXC(UHS-II対応)×1
静止画形式:RAW、C-RAW、DPRAW、JPEG、HEIF
動画形式: RAW、XF-HEVC S YCC422
10bit、XF-HEVC S YCC420 10bit、XF-AVC
S YCC422 10bit、XF-AVC S YCC420 8bit
動画記録:RAW、4K DCI、4K UCD、2K DCI、フルHD
モニター:3.0型 約162万ドット バリアングル式
サイズ:約138.4×98.4×88.4mm
重量:約699g(バッテリー・カード含む)
バッテリー:LP-E6P
発売日:2025年11月21日
価格:オープン
キヤノンオンラインショップ価格:42万9000円(税込)
詳細はコチラ
開放F1.2の純正とは思えない価格設定の『RF45mm F1.2 STM』
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同時発表された『RF45mm F1.2 STM』は、発表会でもかなり注目を集めていました。焦点距離45mmは人の視野に近い自然な画角で、ポートレート、スナップ、風景など幅広い撮影スタイルに対応可能で、重量はわずか346gと非常に軽量で、「気軽に開放F1.2を楽しんでほしい」というキヤノンの思想が明確に感じられる1本です。描写は柔らかく個性的なボケ味が特徴で、「開放F1.2をより多くのユーザーに楽しんでもらいたい」というコンセプトが強く表れています。また、キヤノンの技術者によると、「開放では柔らかく、少し絞るとしっかり解像します」とのこと。このレンズはリーズナブルな価格で軽快さと表現力を兼ね備えたレンズで、まさに“持ち歩けるF1.2”として、ぜひ街で撮影を楽しみたいレンズだと感じました。
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| 開放F1.2の大口径ながら、フィルター径はφ67mmという扱いやすいサイズを採用。適度な口径設計により軽量化にも貢献し、F1.2ならではの美しいボケ表現を、日常的に楽しめる一本に仕上がっています。 | 手頃な価格の『RF45mm F1.2 STM』ながら、マウント部は堅牢な金属製。レンズにはPMo非球面レンズを採用するなど、キヤノンらしい最新技術を投入することで小型化を実現している。 | 『RF45mm F1.2 STM』(写真右)は、従来からラインアップされているRFレンズ『RF50mm F1.2L USM』(写真左)と比べると驚くほどコンパクトなのがわかります。RF50mmが約950gに対し、45mmは約346gとほぼ3分の1の軽さ。 | ||
『RF45mm F1.2 STM』
【仕様】
焦点距離:45mm
開放絞り:F1.2
最小絞り:F16
レンズ構成:7群9枚
絞り羽根:9枚(円形絞り)
最短撮影距離:0.45m
最大撮影倍率:0.13倍
フィルター径:φ67mm
サイズ:約78×75mm
質量:約346g
対応マウント:キヤノンRFマウント
発売日:2025年11月下旬予定
価格:オープン
キヤノンオンラインショップ価格:6万6000円(税込)
詳細はコチラ
Text:SATO TAKESHI
















