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  • 135mm 1/160 F4 WBオート

  • タムロンの35-150mm F2.8-4をテスト
    ポートレイトズームの実力をチェック

    • 35mm

    • 85mm

    • モデルさんとの距離を一切変えずに撮影。ズームだけでこれだけ違う絵が撮れます。

  • タムロンが新たなコンセプト「ポートレートズーム」の名のもとに誕生させたズームレンズ「35-150mm F/2.8-4 Di OSD(Model A043)」。ポートレイト専門のメディアとしてはとても気になるレンズだ。某日、ダンスボーカルユニットGeeSLYのNANAさんにモデルをお願いして、テスト撮影をさせてもらった。

    このレンズで注目したいのがポートレイト撮影にジャストな35mmから150mmまで使える焦点距離だ。まずは広角側35mmで、すこし背景にゆとりをもちながら全身が入るようなフレーミングで撮影。フォトグラファーからモデルまでの距離はだいたい3m弱。ここからズームレンズをまわして150mmにセットすると何と全身を撮影した位置でバストアップが撮影できるのだ。

    このレンズは焦点距離でF値が変動するタイプのレンズだが、暗くなってもF4。他社のF4通しのズームレンズを調べたところ、望遠側が150mmまであるものは見当たらない。もっとF値が暗くなるレンズだと望遠側が強化されているものがあるのだが、F4をキープしているものだと120mm程度のものが多い。F4で150mmを実現しているのはこのズームレンズのアドバンテージといっていいだろう。

    120mmと150mmでは30mm焦点距離に違いがある。たったの30mmだが、これがかなりの差になる。モデルまでの距離が3m弱だと、囲み撮影会などと同じ距離感。このレンズ一本あれば、レンズ交換なしで全身からバストアップまで様々なシチュエーションを撮影できるからだ。

    PASHA STYLEの教室でもよくみる光景だが、ポートレイト初心者だとモデルとの距離を縮めるのが難しい。もっと前に出て撮影すれば、モデルとコミュニケーションもとりやすくて、さらにいい作品を撮れるのに!!と思ったことが多々ある。よくモデルとの距離は心の距離と言われるが、テスト撮影したモデルとの距離「3m弱」から、1歩2歩前に出ることは、それが苦手な人にとってはかなりハードルが高いものだ。そんな悩みも他社ズームレンズより30mm余裕のあるこのレンズなら、ズームリングをまわすだけで解決できる。自信を持ってオススメできる一本といえる。

  • モデルが近づいてきてもズームなのでスムーズに対応。

  • 46mm

  • この35-150mmスイートスポットは85mm。タムロンも85mmでの描写とボケに徹底的にこだわったそうだ。ということで、そのボケ味を生かすために開放で85mmを使うことを念頭に撮影をすすめた。撮影現場での感想としては85mmよりもさらに望遠側のほうが使いやすい印象だったが、パソコンで撮影データを確認するとタムロンがこだわった85mmの写りに驚くばかりだった。

    なぜそのような感想になったのかというと、普段望遠を使うことが多いからで、どうしても望遠のほうが馴染みのある画角で扱いやすかったからというだけ。(タムロンさんゴメンなさい単純に85mmを使いこなせてなかったです)
    もうひとつの理由はこの35-150mmの、特に85mmあたりのボケ味が滑らかなこと。普段、望遠を好んで使う理由といえば、見せたい被写体のみに目が行くようにしたいから。望遠なら背景がぼかしやすいのと狭い画角になるので見せたいものだけに視線を誘導しやすい。ところがこのレンズ(特に85mmあたり)は、背景が滑らかにボケてくれるので、画面内にいろいろな要素が入っていてもモデルがしっかりと目立ちます。むしろいろいろな要素があるほうが、背景がバラエティに富んでいて被写体が浮き出て仕上がる印象。
     
    実際の撮影で、赤いリングが続いている感じが面白い遊具を使って撮影をして見ました。モデルにはカメラに向かって移動してきてもらうように指示。その動きに合わせて焦点距離をズームリングで変えながら撮影します。まず85mmでちょうどいい画面構成にしてモデルさんには近づいてきてもらいました。ズームレンズなので立ち居地を変えずにどんどん焦点距離を変えることができて、とってもスムーズに撮影できました。仕上がりを見るとカッチリと画面構成を考えた85mmは流石の写り。ピント面から滑らかにボケていき被写体が際立ちます。現場でフレキシブルにズーミングして撮影した46mmの写真も面白い仕上がりになって大満足。

    • 85mm

    • 85mm

    • 35mm

  • 同じようなシーンでも焦点距離を変えると印象が変わる。

  • 使ってみての率直な感想は非常によくできたズームレンズで、ポートレイトに最適ということ。最短撮影距離も全域で45cm。望遠が強いズームレンズだと最短撮影距離も長くなる傾向が多い中、このレンズは150mmでも45cmまで寄れる。これは素直にすごいと思わざるを得ない。
     
    高倍率のズームレンズだと思わず「初心者に最適な1本」とオススメしたくなるところだが、このレンズは自分の得意な距離を把握しているベテランフォトグラファーにぜひ使ってみて欲しい。滑らかにボケる画質はベテランフォトグラファーも満足できるハズ。普段使わない焦点距離を使って、どんどん遊んでみてもらいたい。なれない焦点距離だとなかなか上手くフレーミングすることができない、なんてことはよくある話。単焦点レンズだとあれこれレンズ交換して迷ってるのが丸見えで、モデルさんにも「あれどうしたの?」とバレバレ。撮影のリズムが狂ってしまうが、ズームレンズならズームリングを自分の得意な焦点距離に素早く戻すことができて、新しいポートレイトのスタイルに気軽にチャレンジできる。
     
     
    モデルさんに手を伸ばしてもらって、135mmと85mmで撮りわけてみた。上が135mmで下が85mm。似たようなシーンでも焦点距離を変えて撮影すると仕上がりはこんな風にかわる。135mmは後ろのつつじの面積が大きくなることをイメージしてフレーミング。85mmはつつじよりも背景にいろいろな要素が入ることをイメージして撮影した。このレンズは美しく滑らかにボケるので背景がゴチャゴチャしていてもしっかりとモデルが引き立つ。モデルは同じポーズでも全然違う絵になる。そういう部分も写真の面白さだ。

    最後に、このレンズは初心者にはポートレイトの楽しさを教えてくれ、ベテランフォトグラファーには新たなポートレイトへの扉を開けてくれる1本だと思いました。