-
Sheidlin x 大森和幸
Life is interesting! See you in PASHA MAGAZINE vol. 5! -
-
-
2019年冬。夜の闇にぽつりと灯りのともったスタジオ。そこには不思議な世界が扉を開けて待っていた。
Ellen Sheidlin、ロシア人アーティストで、写真や絵画のなかに自らがさまざまな形で登場する、ユニークで不思議な世界観を作り上げている。彼女の口から鳥が顔をのぞかせている写真。彼女がソファーになっている写真(文章の書き間違いではない、笑)。その摩訶不思議な世界に魅了され、インスタグラムのフォロワー数は実に440万人にのぼる。日本の某放送局の番組でも彼女の特集が組まれたことがある。
-
-
-
その彼女を、今回の撮影では「Lumiere’kの天井から、盆栽とともに吊るす」という。あまりに意味不明すぎる構想に、好奇心なのか恐いもの見たさなのか説明のつかない気持ちで現場スタジオに向かった。
そこには、「天使のよう」としか言い表しようのない華奢で可愛らしい少女と、天井からの縛り縄!!! そして、その調整に淡々と指示を送る大森氏。
そして、白の毛糸で作ったヘア、白のドレスの姿で現れた彼女の「吊るし」作業が始まった。あまりに痛々しくてはらはらするばかりのこちらに対して、彼女はワクワク顔!?
日本の「縛り」を以前から知っていて、やってみたいと思っていた。夢がかなった、という。撮影に同行していた彼女の夫でマネージャーのユージーンも、縛り吊されているエレンへの難しい調整を全身で支える。彼も、彼女の創作活動に加わることを楽しんでいるという。
-
-
いよいよ、彼女が天井から吊るされ、横に吊るされた盆栽と向き合うという不思議な世界が現れる。しかし、縄で吊るす状態に身体が耐えられる時間は限られている。しかも角度の調整が難しい。
大森氏の勝負が始まった。彼女が耐えられるわずかな時間内で、彼女が夢に描いていた世界を創り上げるのだ。
最初は現場全体に緊張が広がった。ところが撮影が始まってほどなく、彼女と大森氏の間に共同制作者としての信頼感が生まれたのが分かった。向き合う二人が美しい、そう感じた。
-
この作品のアイデアはどこから来たの? 吊るされていてどうだった?吊るされることにどんな意味があるの? と幾つかの質問を投げかけてみたが、彼女の答えは「吊るしをやってみたかった。吊るされていたら苦しいけど、苦しいことも楽しいこともあるのが人生よね。Life is interesting!(人生は面白い!)」という何とも自然体で底抜けに明るいものだった。
彼女は撮影に心から満足し、きゃっきゃと喜ぶ普通の女の子に戻って関係者との写真撮影を楽しんで帰って行った。
-
そんな彼女と大森氏、そして関係者の方々の想いが結集した作品が、PASHA MAGAZINE vol.5に登場します!12月27日発売、既に予約販売を開始しています。ぜひその摩訶不思議で美しい世界観をご覧になってみてください! Life is interesting!
モデル:Ellen Sheidlin (instagram & twitter @sheidlina)
撮影:大森和幸(instagram:@ooxo)(ただし本稿中の写真は筆者による)
コーディネーター&アシスタント:ユコ(instagram:@yukophotography)
ヘアメイク:小夏(twitter @712_coconut)
ドレス:ウダキョウ (twitter @kawaiisekaiB)
縛り:ひこ (twitter @hiko_1005)
スタジオ:Lumiere'k (twitter: @_Lumiere_K)
TEXT:Akemi Senshu
-