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  • 大村氏撮影:Batis 1.8/85, F1.8, ISO1000, SS1/100

  • 【雑誌連動企画】 大村祐里子 × ZEISS
    X(cross)shooting 第1回

  • 小雨降るなかで撮影が始まる

    • ヘアメイクの弾塚凌氏によるイメージ作り

    • 大村氏撮影:Batis 1.8/85, F1.8, ISO1000, SS1/125

  • 今回の『X(cross) shooting』にご参加いただいたのはZEISS。フォトグラファーは多くのPASHAイベントでも人気の大村祐里子氏。

    X (cross) shootingの第1回では、撮影現場の様子と、大村氏とモデルの対話がどのように展開していったのかを紹介したい。二人の想いを受け止めたレンズの美しい描写をご覧いただきつつ、お読みいただきたい。

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    白壁に這う蔦が小雨でしっとり濡れた可愛らしいハウススタジオ。そこで、大村氏と、モデルの石田有希子氏(ABP inc.)が顔を合わせた。

    モデルの息遣いまで聴こえそうな、リアルな感情を映した作品を生み出す大村氏。

    モデルの石田氏も、繊細な雰囲気ながら秘めた強さを感じさせる瞳。

    ヘアメイクの弾塚凌氏もそこに加わった。

    今回の企画は、大村氏が全体を温かな空気で包むように始まった。
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    【情緒が見たい vs. 物語の中に一体化する】

    撮影前半は雨。白いドレス、ナチュラルメイク、ごく柔らかな外ハネウエーブのかかったヘアで現れた石田氏。ヘアメイクの弾塚氏によれば、ヘアは松田聖子さん風を意識したという。

    「情緒が見たい。時間を止めたい」と、想いを語る大村氏。

    石田氏は「雨が当たっている場所を見て、自分が雨を降らせているような、物語の主人公になったような感じで、空気感と自分を一体化させるように心掛け表情を作った」という。

    二人の語り合いで、雨のなかに咲くような、優しく美しい空間が現れた。

  • 今回使用されたBatis 2/25, 2/40 CF, 1.8/85

  • 【現場で共感しあえる瞬間が幸せ】

    後半は雨が上がり、ライティングの効果も加わって夕暮れ前の雰囲気。石田氏は一転、黒いドレスに、ウエーブを付けたヘア、強さの感じられるアイメイク、そして真っ赤なルージュ。

    前半の松田聖子さん風に対して、そう、中森明菜さん風である。石田氏は松田聖子さん、中森明菜さんを知らない世代では?

    「昔の女優さんの写真を検索するのが楽しくて、小学生の頃からずっとやっている」。それを見て表情やポーズを研究していたという。小学生の頃から、集合写真を撮っても真ん中でポーズをとっている少女だった。さらに、自分を表現したくて合唱を始めたことで伝える楽しさを実感し、表現者になりたいと思ったという。また、ご両親も「好きなことを楽しんでくれれば嬉しい」と彼女の背中を押してくれた。

    撮影も後半になると、大村氏と彼女が想いを共有し、熱を帯びてきたことが、はっきりと感じ取れるようになった。

    大村氏の口からも「中森明菜が憑依したみたい」という言葉が漏れた。

    • 大村氏撮影:Batis 1.8/85, ISO400, F3.2, SS1/125

    • 一変した表情に大村氏の熱量も上がる

  • 大村氏撮影:Batis 1.8/85, ISO400, F2.0, SS1/250

  • そうしてかなりの手ごたえが感じられてきたころ、石田氏がぽつりとつぶやいた。「もっと何かないかな」

    「ひとつひとつの現場で何かを吸収する。自分の引き出しを、与えられた場所でどれだけ見つけられるか。好奇心旺盛なので何でもやってみたい」という。

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    そして「共感しあえる瞬間が幸せ」と。

    そう言い切る石田氏は、さらに深く自己表現を模索し続けた。その目や仕草に現われた美しさに、現場全体が息をのんだ。二人の感情が直接伝わり、共鳴していた。

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    どうだろう。前半の柔らかな雰囲気、後半の情熱的で凛とした雰囲気のいずれをも、見事に写し取るBatisの描写力。Batisと大村氏の出逢いは、美しい時間を永遠に止めた。