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紹介:現代美術作家 美島菊名
絵本のような写真作品のなかに生きる -
作品『GENOME』のラフスケッチ
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作品『GENOME』
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少女が写真の中に浮遊している。どこか遠い目をして。その不思議な世界観を目にし、自分が心の奥底にしまい込んでしまった何かが一瞬目覚めたような錯覚にとらわれた。
現代美術作家、美島菊名。そのひとの写真作品は、大人になって現実の世界を生きている者の心を揺さぶる。
彼女は子供の頃、絵本を毎晩、両親に読んでもらうことを楽しみ、また幼少時から絵画を始めた。その後、大人になった彼女は写真の世界に転向し、写真のなかに絵本の世界を作り上げた。絵本のようなイメージのラフスケッチを描いて、それに基づいた写真作品を制作している。
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「私は大人になって絵本の中ではなく現実のストーリーを生きています。写真は私にとって絵本の挿絵です。現実のお話の絵本を作ることによって、私は子供の時のように安心して世界を受け入れる事ができるのです」「完成した写真を見て初めて自分が何を感じていたか分かる。わたしはこんな状態なのだとようやく知ることができる。私がようやく世界に存在できたよろこびに安堵する」
美島氏はこう語る。
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美島菊名氏
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写真の世界に生きる私たちは、「自分にとって写真とは何か」という問いと戦い続けている。彼女はその問いにこう答え、自らの存在意義としているのだ。
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美島菊名/Kikuna Mishima
現代美術作家
1982年神奈川県生まれ。明治学院大学卒。幼少の頃より絵画を始めるが、大学在学中に写真に転向。2014年ROPPONGI HILLS A/D GALLERYにて個展
2015年H.P.FRANCE WINDOW GALLERY MARUNOUCHIにて
写真家の池谷友秀氏と作品展を行う。2018年ROPPONGI HILLS A/D GALLERYにて二度目の個展
初の作品集が出版された。作品発表の他、独自の感性で広告媒体の撮影も行う。
website:https://www.kikunamishima.com
instagram:@kikunamishima
twitter:@KikunaMishima
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美島氏の作品は12月27日発売のPASHA STYLE vol.5の特集『CREATIVE FINE ARTS.』に掲載されています。ぜひその世界の一部を覗いてみてください。
TEXT:Akemi Senshu -
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