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  • PASHA STYLE特派員のとんすけ(写真左)が露出計メーカーのセコニック杉山さん(写真右)にお話を伺いました。

  • カメラ女子とんすけが行く!!
    第1回『露出計って必要なの?』

  • ちょっと難しい話で、とんすけも超真剣モード。

    • フィルムカメラにはアナログの露出計がオシャレ。

    • 最新のデジカメにはデジタルの露出計を使いたい。

    • セコニックでは全部で6種類の露出計をラインナップしている。

  • 写真を撮影するうえで重要なことのひとつが露出。今はデジタルカメラなどで撮影して、すぐに画像をモニターで確認できるから単体露出計が必要ないという声もありますが、果たしてそうでしょうか?

    そこで今回は単体露出計が必要なのか? カメラの露出計と何が違うのか?などなど、カメラ女子のとんすけ※が露出計メーカーのセコニックさんにお話を伺いに行きました。取材にご協力していただいたのはセコニックの杉山涼太さんと吉澤隆史さん。
    ※とんすけが気になった方はプロフィール載せておきますのでぜひ読んでね。

    とんすけ(以下・と)「セコニックさんではたくさんの露出計を発売されていると思うのですが何が違うのでしょうか?」

    セコニック杉山(以下・杉)「全部で6種類のメーターを発売しています。アナログ2機種、デジタル4機種です。測定の精度はアナログもデジタルも同じです。大きな違いはデジタルのほうはストロボが計れるところ。細かいところで、上位機種は露出プロファイルが使えるところですかね。あらかじめ自分のカメラのダイナミックレンジを登録しておけば、自分のカメラでハイライト部やシャドー部がどこまで再現できるかを撮影する前にメーターで確認できます。撮影した写真を家に帰ってパソコンで見たら白トビしてたとか黒つぶれしてたなどを防ぐことができます。あとフラッシュ光電波コントロールというのがあります。エリンクローム社のワイヤレスシステムに対応していて~」

    「………」

    セコニック吉澤(以下・吉)「杉山くん、難しい話はほどほどにしますかね(笑)デジタルのほうが多機能になっているということで」

  • 単体の露出計はその場の光の量自体を計る入射光式が使える。測定しているのはセコニックの吉澤さん。

  • とんすけも愛用しているアプリの露出計は反射光式。黒いものを測定すると明るく写る数値になる。

  • 「普段はスマートフォンの露出計(アプリ)を使っているのですが、単体露出計と何が違うのでしょうか?」

    「アプリの露出計は、単体露出計と違って光を受ける受光部がないので、スマートフォンのカメラの機能を使う形になりますね。だから一眼レフなどに搭載されているものと同じ反射光式で測定されています。単体露出計は入射光式が使えます」

    「反射光式? 入射光式? どう違うのでしょうか?」

    「単体露出計(入射光式)は被写体にあたる光の量そのものを測定して、反射光式は被写体にあたって反射したものを測定します。入射光式は被写体の反射率に影響されないのですが、反射光式は被写体の色や濃度によって影響を受けます」

    「具体的にはどのような影響があるのでしょうか?」

    「まず反射光式を理解するために覚えてほしいのですが、カメラやスマホの露出計(反射光式)は露出を計った部分を18%グレーの反射率になるように数値が割り出されます。画面全体がグレーのものを撮影する場合はいいのですが、画面全体が黒や白になる時は見た目通りになる数値が出ません。黒いものは明るく、白いものは暗く写る数値になります。実際に計ってみましょう」

    「同じ場所で計っても、被写体によって数値が変わってしまうのですね。知らなかった!」

    「入射光式の露出計は被写体にあたる光そのものを測定するので、被写体が変わっても見た目通りに撮影できる数値を出してくれます」

    「中判カメラでフィルムを使うのなら、露出計が付いてないので必要な感じがするのですが……。その場で写真を確認できるデジタルカメラを使う時も、露出計は必要なのでしょうか……」

    「画面の中の露出の差を計ることができるのが単体露出計です。例えばハイライトはいくつで、シャドー部はいくつと数値を記録しておけば、同じ絵を再現できるようになる。露出を計って数値で理解して画面の中のバランスを見る。それができるのが単体露出計の最大の強みかと思います。これはカメラの露出計ではできないことです」

    「今まで露出計を使ってなかったので、画面の中の雰囲気でこんな感じかなぁと勘でさぐりさぐり撮影をしてました。現場の数値がわかるのがいいですね」

    • セコニックの露出計は全て反射光も計れます。※写真のL-478Dのみオプションが必要。

    • 反射光式で使う時は計りたい箇所をファインダーで覗いて計測(ライトマスター プロL-478Dの場合)。

  • 露出計の使い方を教わって次回に備えます。

  • 「単体露出計を使えば、きちんと計りたい部分の露出がわかる。これを基準に光のバランスを考えていくと、漠然とカメラの露出計で計っている時よりも写真が上手になりますよ」

    「数値で見られるのは分かりやすくていいですね」

    「座学ばかりだとつまらないですよね。実際に露出計を使って外で撮影しましょう。とんすけさん、どの露出計を使いますか? 中判のカメラにはアナログのメーターも似合いますよね」

    「初心者におすすめの機種とかありますか?」

    「初心者にはL-308Xがおすすめかな。基本的な機能はもちろん、ストロボまで計れますからね。今日は写真の話がメインですが、実は映画や動画用の機能も備わっています。コマ数とかも表示できますよ」

    「風景とかスナップとか野外で撮影することが多いので、持ち運びを考えるとL-308Xを使いたいです」

    「では実際にL-308Xを使ってみましょう」

  • 次回は実際に露出計を使用してみます。
     
    第2回『単体露出計を使ってみる』
    https://pasha.style/article/1086

    第3回『光のバランスを考える』
    https://pasha.style/article/1087

     
    【とんすけプロフィール】
    平成9年生まれ。東京出身。祖父のマミヤを使いモデルも撮影もこなすスーパーガール。その正体は大学院生。

    Twitter:@tom__ch
     
     
     
    PASHA STYLE特派員:とんすけ
    取材協力:セコニック
    編集:サトー

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