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  • ボケ味が魅力の2本のFUJINONレンズをテスト
    50mmが良いのか? 56mmが良いのか!







こんにちは!

PASHA STYLE編集部のサトーです。

今回は50mmのF1.0(商品名はXF50mm F1.0 R WR)という夢のレンズをリリースした今熱いフジノンレンズに焦点をあててレンズレビューをしていきます。

使用するレンズは『XF50mmF1.0 R WR』と『XF56mmF1.2 R APD』の2本。

なぜこの2本をチョイスしたかと言うと、『XF50mmF1.0 R WR』は9月24日に発売された製品で、ミラーレスデジタルカメラ用交換レンズとして、世界で初めてF1.0でAFが使える今話題のレンズだから。

もう1本はAPDフィルター搭載レンズで、世界で初めてAF撮影が可能になったレンズ『XF56mmF1.2 R APD』。どちらも「世界初」を実現したレンズで、ポートレート撮影には欠かせない素晴らしいボケ味が期待できるレンズ。読者のみなさまも「新しい50mmF1.0とAPDフィルター搭載の56mmとどっちがポートレートに使えるのかな~」と思っている方は多いかと思います。※APDフィルターの詳細はこちら


そんな疑問を編集部サトーが、スナップからポートレートで撮影をした写真を見せながらレビューしていきたいと思います。

ちなみに『XF50mmF1.0 R WR』はPASHA STYLEポートレートナビゲーターの星野耕作さんがレビューした記事も公開中です。


【使用機材】

カメラ:FUJIFILM X-T4

レンズ:XF50mmF1.0 R WRXF56mmF1.2 R APD

 



スナップ撮影





作例① 56mm シャッター速度1/1000 絞りF1.2 ISO160 プロビア







作例② 50mm 1/250 絞りF1 ISO160 アスティア





作例③ 56mm 1/1000 絞りF1.2 ISO160 ベルビア



PASHA STYLEはポートレート専門メディアです。なぜスナップなのと思っている方は多いハズ。まずはカメラになれてレンズの特性をある程度把握してから本番のポートレート撮影に挑もうと言う作戦です。まぁ本当のところは使ってみたかっただけなのですけど(笑)

富士フイルムのXシリーズのカメラは初めて触ったのですが、50mmと56mm共通で思った感想は光に対して素直な描写をする。画面の中に太陽を入れてあげると、程よくゴーストやフレアが出てくれる(作例①、②)。Xシリーズのボディはクラシカルなデザインなのでノスタルジーな画が撮影できるのでカメラのイメージ通りでいい感じです。きっとモデル撮影で夕陽をバックに撮影をしたら、ちょっとノスタルジーなフイルムチックな作品が写せると思ったらワクワクしちゃいます。

もちろん普通に撮ればキッチリと描写してくれます(作例③)。道端の猫じゃらしを逆光気味で撮影したのですが、種をしっかりと写せました。ハイライトもかなり粘ってくれています。

ちょうど近所にヒガンバナが有名な場所があったので、そこでもパチパチと撮影をしてみました。※撮影は9月下旬に行いました。







作例⑤ 50mm 1/60 絞りF1 ISO160 ベルビア

作例⑥ 50mm 1/60 絞りF2.5 ISO800 ベルビア



ヒガンバナの前にはグリーンの柵があったのですが、柵越しがベストポジションだったので柵にレンズをつけて撮影してみました。開放で撮影するとボケが大きくて、よく見るとボケのなかにバッチリと柵が写って美しくなかったので、開放ではなくF2.5まで絞ってみました。ボケが小さくなってちょうど良くなりました。絞っても描写がとっても綺麗です。


同じ場所で56mmと50mmの比較撮影したのが作例⑦~⑩


XF56mmF1.2 R APD



作例⑦ 56mm 1/30 絞りF1.2 ISO160 ベルビア

作例⑧ 56mm 1/10 絞りF2.8 ISO160 ベルビア


XF50mmF1.0 R WR



作例⑨ 50mm 1/80 絞りF1 ISO160 ベルビア作例⑩ 50mm 1/10 絞りF2.8 ISO160 ベルビア


手持ちでの撮影なので若干画角が変わっていますが、なるべく同じなるように撮影しました。56mmのほうがすこしクローズアップされた画角になってます。

比較としては絞りは開放とF2.8まで絞ったものを撮影。

これをパッとみてどっちが50mmか56mmか言い当てられる人はいないかもしれない……と思ってしまうほど、似た印象です。


ボケの輪郭が滑らかになるAPDフィルター搭載の56mmと開放F1の50mmレンズ、どちらもボケ味が美しい。開放だと50mmF1のほうがボケがすこし大きい。


F2.8画像拡大比較



XF56mmF1.2 R APD
XF50mmF1.0 R WR


開放では違いがほぼ見つけられなかったが、F2.8まで絞った画像をみると違いがでてきました。基本的には似たような描写をしているのだが、拡大してみると若干56mmのほうがカクカクしたボケ味になっています。これは絞りの枚数の違いで56mmが7枚、50mmが9枚。ボケにこだわる方は必見のチェックポイント。個人的には絞ってもカクカクし難い50mmをポートレイト撮影に使いたい。


50mmと56mmの一番の違いは、なんと言っても明るさ!! 50mmがF1、56mmがF1.2。両方とも明るいレンズだが56mmのほうはAPDフィルター搭載しているので実際の絞りよりも露出が少し暗くなる。


スナップ撮影で使用した感想としては、ちょっと暗くなるけどけど軽いレンズの56mmと、明るくて絞ってもボケ味が綺麗だけど重量がある50mm。どっちがポートレートにいいのか選ぶのは本当に難しい。




ポートレート撮影



作例⑪ 50mm 1/80 絞りF1 ISO160 ベルビア





作例⑫ 56mm 1/60 絞りF1.2 ISO200 ベルビア


スナップ撮影を経て、チャンレンジしたポートレート撮影。撮影に協力してくれたのはコスプレイヤーさんでご自身でも撮影をされるにゃんこさん。

撮影は9月末。ギリギリ残暑。夏を堪能したい。夏と言えば海でしょ!!ということで、海で撮影させてもらいました。日頃の行いが悪いのか撮影日に台風さんがいらしゃってました。曇天です。正確に言うと雨ときどき曇りと言った感じ。

本当は夕陽をバックにして、すこしハレーションを起こしたフィルムのようなゆるふわなカットを撮影しようと思った計画は台風と一緒に消し飛びました。


新製品の50mmF1はスペックを考えるとピントも浅くなって、ポートレート初心者には難しいレンズなのかと思っていたのですが、実際に使ってみるとAFもサクサクと動き瞳AFもしっかりと効くので撮影時は構図のみ考えればいい感じでした。

レンズの重さも56mm(405g)と比べると倍以上の重さ845gで扱いづらい印象だったのですが、絞りをレンズ側のリングで操作するスタイルだと、両手でしっかりとホールディングするので思ったほど重さを感じなかったです。


気になる描写ですが、スナップ撮影をした時にはほぼ同じ描写だと思ったのですが、撮影したデータをしっかりと見比べたらキャラクターの違うレンズだとわかりました。

56mmの方はボケの輪郭をぼかすAPDフィルターがはいっているのですが、ピントンの芯はかなりシャープ。50mmはピントはありながら周囲が優しい描写で、開放で使うと若干収差もでて、実に味のある写り。拡大するとこんな感じ。




作例⑪の拡大作例⑫の拡大



個人的には女性をとるなら新しい50mmF1がいいと思いました。ただ50mmは持ちやすいと言っても重量があるので、56mmのAPDフィルター搭載のレンズも捨てがたい。しっかりポートレートを写したいなら50mmで、スナップからポートレートまで万能に撮影したいなら56mmがいいかなぁという感じ。

正直なところ56mmのパキっとした描写もモデルを写すのに最適なので、贅沢をいうとシチュエーションによって50mmと56mmを使い分けたいです(笑)






まとめ




作例⑭ 56mm 1/200 絞りF1.4 ISO160 プロビア




並べるとこんなにサイズが違う。写真左50mm(845g)、右56mm(405g)。
APDフィルターを搭載すると実際の明るさより暗くなる。赤字が実際の絞り。
56mmには開放が楽しめるようにNDフィルターが付属されている。


テストした50mmも56mmも開放F値がF1とF1.2と超明るいレンズだけど、しっかりとAFが利いて扱いやすいレンズでした。2本のレンズを使った感想は、この2本をつかったらいい意味で写真が下手になりそう。それぐらいスムーズに撮影ができました。テスト撮影で使用したボディX-T4は手ブレ補正もあるし、瞳AFもあるから構図とモデルさんとのコミュニケーションに集中できました。



作例⑮ 56mm 1/250 絞りF1.2 ISO160 PRO Neg.Hi


あと富士フイルムと言えばフィルムシミュレーション。他社のカメラでも搭載されている機能でピクチャーコントロールとかピクチャースタイルとか呼ばれているものです。個人的には普段はスタンダードのみしか使ってないです。なぜかと言うと風景モードとかポートレートモードとか名前がついているとなんか初心者向けのモードに感じてしまうからなんです。

それが富士フイルムなら実際のフィルムの名前がついているので先入観なく使えました。

フィルム時代からカメラは使用している人から見るとプロビア、ベルビア、アスティアとか名前が付いていると懐かしい感じ。このシチュエーションならベルビア。人物ならアスティアとか楽しく使い分けができました。例えばベルビアだと他社だとコントラストが少し強めのモードは風景モードとかになると思うのですが、風景と名付けられているものを正直ポートレート撮影でつかう気がしないです(笑)




作例⑯ 56mm 1/1600 絞りF1.2 ISO800 アスティア

作例⑰ 56mm 1/50 絞りF1.2 ISO1000 ベルビア


あとX-T4で初めて搭載されたバリアングル液晶。自分的にはローアングルの時にチルトさせる時に、モニターを横に出さないといけないのでチルト式のほうがいいかなぁと思ったのですが、意外とよかったのがモニターを逆にできるところ。フィルムシミュレーションでフィルムを選んだらフィルムライクにモニターをほとんど見ないで撮影できるのがよかったです。できたらモニターを閉じた時にX-Pro3と同じ液晶をいれてくれたら完璧かと思います。ぜひ次のX-T5には入れて欲しいかも。






Xシリーズで初めて搭載されたバリアングル液晶。

液晶をひっくり返すとフィルムライクに撮影が楽しめる。



11月19日に発売されたX-S10は、今までXシリーズを触ったことがないユーザーでも使いやすい

操作性になっていると聞くと、是非新しいカメラでもテスト撮影してみたいなぁと思いました。


モデル:にゃんこ

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Text:SATO TAKESHI