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  • 【PASHA REVIEW】Voigtlander SUPER NOKTON 29mmF0.8 Aspherical
    写真用交換レンズとして最も明るいレンズで遊んでみた①




昨年12月10日に発売されたフォクトレンダーの『SUPER NOKTON 29mm F0.8 Aspherical』は写真用交換レンズとして最も明るいF0.8を実現。

この新製品リリースを頂いた時に、「世界一明るいレンズ」を体験してみたい!  と思ってコシナさんに連絡をして実現したのが今回の特集記事です。

すこし長めに機材をお借りできたので合計3回の記事として紹介予定です。


今回は編集部でテスト撮影したスナップとポートレート撮影の模様を紹介します。



【使用機材】

レンズ:SUPER NOKTON 29mm F0.8 Aspherical

カメラ:オリンパスOM-D E-M1 MarkII ※機材協力GooPass








作例① シャッター速度1/400 絞りF0.8 ISO200
作例② シャッター速度1/200 絞りF0.8 ISO200




作例③ シャッター速度1/3200 絞りF0.8 ISO200
作例④ シャッター速度1/1000 絞りF0.8 ISO200




お散歩スナップ撮影


コシナさんのご厚意により、すぐに機材をお借りできたのですが

実は編集部にマイクロフォーサーズのカメラがない。

そこで今話題のGooPassのサブスクでカメラを借りてみました。詳しく特集記事をご覧ください。

特集記事 GooPassのサブスクを使ってみた


いきなり初めてのカメラとレンズでポートレート撮影をしたら失敗するという悪夢が頭に過ったので、しっかりとスナップ撮影をしてみました。


普段はAF頼りで撮影しているのですが、たまにAFでピントが合わない時にMFを使用しています。その時にMFに感じていたのが、ピントリングが軽くてピントが見え難くてシビア。拡大表示を使ってもピントの山が掴みにくい。F値が明るいレンズとなるとAFレンズでもピントが合わないから、今回の29mmは良いレンズなのは想像できるが難しいだろうと考えていました。車で例えるなら素人がレーシングカーの乗るような感じで、すごいけど使いこなすには技術が必要だろうと……。


触ってみてのファーストインプレッションは「マニュアルレンズって、こんなにピントを合わせやすいの!」という驚きでした。





作例⑤ シャッター速度1/2500 絞りF0.8 ISO200
作例⑥ シャッター速度1/1600 絞りF0.8 ISO200


流石にフォーカスを合わせるスピードはMFに馴れていないので、遅いのですが、ピントが心地よく合わせられる。それはMF用に作られたピントリングの重さが、重すぎず軽すぎず絶妙で心地よいから。しかもピントの山もレンズの解像度が高いおかげで掴みやすい。なるほどAFレンズはAFで動かくことが前提だったからMFが難しかったのだなぁと痛感しました。

実際の撮影では、このレンズのストロングポイントは開放F0.8をメインに撮影しました。マイクロフォーサーズのカメラはフルサイズに比べて、センサーサイズが小さいのでボケない印象だったのですが、さすがF0.8ビックリするぐらいボケます。

開放で撮影すれば、道端の雑草(作例⑤)もなだらかにボケてムーディ。駐車場の鉄柵(作例⑥)は遠くに行けば行くほど間隔が狭まっていくのですが、ご覧の通りのボケ感。ピントが合っている部分に視線が誘導できて最高です。







作例⑦ シャッター速度1/1600 絞りF0.8 ISO200
例⑧ シャッター速度1/1000 絞りF0.8 ISO200
作例⑨ シャッター速度1/40 絞りF0.8 ISO200



作例⑧拡大


AFレンズだと避けたいのが作例⑦のような柵越しの撮影。AF撮影だと柵にフォーカスがあってしまって永遠に撮影できない環境。こんなシーンもマニュアルレンズなら問題なく撮影できます。あと撮影した時が12月だったので、たんぽぽの綿毛(作例⑧)ともみじ(作例⑨)も開放で撮影しました。どちらも背景のボケがなだらか。特に注目したいのがたんぽぽの綿毛! 拡大して見るとおしべがしっかりと解像している。すこしピント面の前後に収差がでているけれど、個人的には違和感がないので大満足。


絞りを変えるとどのように画が変わるのか遠景と近景の2パターンをテストしてみました。それぞれ絞りを開放F0.8からF2.8まで変えて撮影してみました。




 ひとつめは遠景。橋にピントを合わせて撮影しました。橋までの距離は目測ですが40mぐらいで天気は曇天。わりとレンズに優しい環境でした。F0.8で撮影してみると写真のようなノスタルジックを感じさせる描写になりました。背景と手前の木に注目して見るとすこし収差が出ているのがわかります。個人的にはほどよい収差は柔らかい描写になるので好きな感じです。テストなので絞り込んで撮影してみました。

F値を1にしてあげると背景の滲みが改善されて一気に解像度が上がります。さらに1.4まで絞ってあげるとかなりシャキっとします。カチッとした描写が好きな人は1段半以上絞るのがオススメ。さらに絞っていくと右側の手前の木の収差も改善されていくのがわかります。F2.8まで絞るとかなりシャープな状態になります。もともとがF0.8のレンズなので3段半絞ってもF2.8とかなり明るい。




もう一つは被写体までの距離2メートルぐらいの近景。ススキとセイタカアワダチソウが綺麗だったので彼らを被写体に撮影しました。アレルギーのある方ごめんなさい(ちなみに自分もアレルギーです)。

遠景の撮影と同日なのですが夕陽が差し込んできたので、これはレンズをいじめるチャンスと思ってシャッターを切りました。太陽を画面の中央上部に入れて撮影しました。逆光で撮影しても嫌味なフレアやゴーストが出ないので、オールドレンズみたいな描写を求めている方にはちょっと合わないかも知れないです。基本的に開放からシャープな描写をするレンズです。

遠景と違って近景の方は被写体との距離が近いのでよりボケ味を活かした写真が撮影できます。特にF0.8のボケ味が美しく、ピントの合った部分に引き寄せられるように視線が誘導されます。拡大してみると遠景と同様に少し収差が出る部分があるのですが、開放F0.8で、これだけしか収差がでないならほぼないものと思ってもいいと思いました。


F0.8の画がフォトジェニックで撮影としては大満足なのですが、テストなので遠景の撮影と同様にF2.8まで絞り込んでみました。絞っていくとシャープで素直な描写が楽しめるのがわかりました。これはこれで作品づくりに使えそうです。



ポートレート撮影

PASHA STYLEはポートレート専門メディアです。ということでしっかりとポートレート撮影もしてきました。モデルさんは中西渚さん。アレっと思ったかたもいらっしゃるかと思うのですが、中西さんは以前記事で紹介させていただいた長身が素敵なモデルさんです。

気になる方はコチラの記事もご覧ください。




作例⑩ シャッター速度1/200 絞りF0.8 ISO200


【プロフィール】

中西渚

InstagramInstagramTwitter

今年の1月から下北FMでメインMCとして

「中西渚の今年もマイペースにいきますよ~」

(毎月第2木曜日22:00~22:20)に出演中。

定期的に撮影会にも出演しているので

気になる方はぜひSNSをチェック。


作例⑪ シャッター速度1/160 絞りF0.8 ISO200


焦点距離29mmと聞くと思わず、ちょっと広角気味なのかなと思っていたのですが、今回のレンズのマウントはマイクロフォーサーズ。35mmフルサイズに比べるとセンサーサイズが小さいので35mm判に換算すると58mm相当のレンズになります。画角的には50mmのレンズよりも気持ちクローズアップして撮影できる感じなので常用レンズにピッタリ。撮影日当日の天気は曇天でレンズには優しい環境で撮影ができました。





作例⑫ シャッター速度1/200 絞りF0.8 ISO400 LEDあり
作例⑬ シャッター速度1/100 絞りF1.4 ISO200 ストロボあり


さまざまなシチュエーションで撮影したかったので、自然光、ストロボ、LEDを使って撮影しました。どのシーンでもボケ感を活かした撮影がしたかったので、開放をベースに設定しました。

ストロボ撮影で開放F0.8に設定するとクリップオンストロボの光量を最弱にしても光量が強かったので1絞り半絞って撮影しました。どのシーンでも前ボケも後ろボケもクリーミーなので、モデルさんに自然と視線が誘導されます。


作例⑭ シャッター速度1/320 絞りF0.8 ISO200


実は今回の撮影でやってみたかったのが、作例⑭の最短撮影距離での撮影。37㎝まで近寄れるので開放で撮影すると焦点距離の効果でかなりボケます。唇の端にピントをあわせたのですが、唇の真ん中あたりでピントがボケているのがわかります。37㎝って相当寄れるので、モデルさんのパーツを印象的に写すのに最適。注意点としてはかなり近くから撮影することになるのでモデルさんにひと声かけてから行いましょう。僕もかなり近くてドキドキしました(笑)。


作例⑮ シャッター速度1/320 絞りF1.4 ISO200 ストロボあり



ポートレートで使った感想としてはモデルさんとの距離がちょうどよかったです。

マイクロフォーサーズだとボケ難いので、個人的には42mm~60mm(35mm換算84~125mm)ぐらいの中望遠を使って背景をぼかしたいところ。中望遠を使う悩みとしてはボケ味を活かした撮影はできるけどモデルさんとの距離が離れてしまうこと。そんな悩みもしっかりと解消できるのが、この29mm。作例⑫や⑬の撮影なら1メートルぐらいの距離から撮影ができるので、モデルさんとのコミュニケーションもバッチリでポートレートに最適な1本かと思いました。



まとめ

レンズを選ぶ時って、自分のカメラに装着できるレンズから使いたいものを選ぶ印象だったのですが、このレンズを使ってみたら考え方がちょっと変わりました。この29mmの写りがあまりに良かったので、このレンズを使うためにマイクロフォーサーズ機を選ぶという選択肢もありかと思いました。


通常ならここで記事完了なのですが、実はもう1パターン撮影してみました。ナイトスナップです。なぜナイトスナップをしたかと言うとNOKTONはラテン語の夜を意味するNoktから名づけられたレンズなのです。そのNOKTONを超える超大口径レンズがSUPER NOKTON。夜使わないでどうするの?という衝動に駆られて浅草の夜を徘徊してみました。日付が変わる頃から撮影したので本当に夜中です。





作例⑯ シャッター速度1/40 絞りF0.8 ISO200
作例⑰ シャッター速度1/30 絞りF0.8 ISO200

作例⑱ シャッター速度1/100 絞りF0.8 ISO200





作例⑲ シャッター速度1/30 絞りF0.8 ISO200
作例⑳ シャッター速度1/125 絞りF0.8 ISO200
作例㉑ シャッター速度1/40 絞りF0.8 ISO200


最近のデジタルカメラは高感度も強いのですが、E-M1 MarkIIの最低感度のISO200固定で手持ち撮影をしてみました。絞りを開放F0.8で撮影するとシャッター速度はだいたい1/20~1/125。感度をあげなくても手ブレ補正が利くので、軽快にナイトスナップが楽しめました。ポートレートで使用してボケ味が美しいので、この29mmはポートレートレンズかと思ったのですが、夜使ってみてさらにビックリ。人口の光しかない環境下でも変な収差がでないのです。これはポートレートだけで使うのは勿体ない。ちょっと重たいけど常用レンズとしても使いたいレンズだと思いました。




次回の「写真用交換レンズとして最も明るいレンズで遊んでみた②」では

PASHA STYLEアンバサダーの小澤良治さんとjunya chidaさんがレンズレビューします。




text:SATO TAKESHI



現在、PASHA STYLE Vol.7発売に向けてクラウドファンディングやってます。

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