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【雑誌連動企画】X(cross)shooting…露出計選び
SEKONIC×PASHA STYLE ポートレート向け露出計は何?
PASHA STYLE BOOKとのweb連動企画 X(cross)shooting。
先日行われたPASHA STYLE認定作品展に参加して「光をコントロールすること」の必要性を感じた、ユーザー代表のとよしーさんが自分にピッタリな露出計はどれなのかを探っていきます。
露出計の指南役 | ユーザー代表 | |
セコニック 杉山涼太さん |
| とよしーさん Twitter:@To_Yo_Sie Instagram:@to_yo_sie |
わかりやすく単体露出計のことを教えてくれるのは、世界を代表する露出計メーカー『セコニック』杉山涼太さん。学生時代は写真学科に在籍していたフォトグラファーの気持ちもわかる広報担当。 | 2017年の夏、旅行をきっかけにカメラを始める。当時は動画作成をメインにしていたものの、カメラ系YouTuberである「カメラのもっくん」と繋がることでPASHA STYLEを勧められたことをきっかけに、昨年から本格的にポートレート撮影を開始。 |
とよしー(以下・と)「前回(PASHA STYLE BOOK Vol.7の記事P52)、露出計の役割と種類(入射光式と反射光式)を教えて頂いたのですが、今回は僕のスタイルに合う単体露出計を探っていきたいので杉山さんアドバイスお願いします」
セコニック杉山(以下・杉)「わかりました。お任せください。セコニックの露出計は大きく分けるとアナログとデジタルの2つのタイプがあります。とよしーさんやPASHA STYLEの読者の方はメインとなる被写体が人物だと思いますので、フラッシュ光を測定できる露出計がオススメです。とよしーさんはどんな時に露出計が欲しいと思いますか?」
と「僕はできるだけ撮影現場で人の肌がキレイに写るようにしたいと考えています。光が強くあたって顔がテカるとか……。背景と被写体との露出差が大きくて、背景と被写体がしっかりと写るようにフラッシュでシャドー部を起こしたら、バランスが崩れて困ることが今の悩みです。そんな時に単体露出計があると防げるのかな~と期待をしています」
杉「デジタルタイプの露出計では露出を数値で表示するので、バランスを確認するときにも有効です。デジタルタイプは全部で4機種あり、いずれもフラッシュ光を測定することができます。入門機としてはフラッシュメイトL-308Xをオススメします。簡単操作、軽量、コンパクトな露出計なので初めての方にはピッタリです。表示部は無機ELバックライトを搭載しているので、暗い環境下でも液晶が見やすくなっています」
と「見た感じではコンパクトでカメラバッグに入れておきやすそうですね」
杉「電池を入れた状態でも95gほどの重さなので、持ち運びでも気にならない重さだと思います」
と「スマホでも露出計アプリがあるという話を聞いたことがあるんですが、アプリと単体露出計の違いはどこにあるのでしょうか?」
杉「セコニックの単体露出計は入射光式と反射光式の2つの測定方法で測れますが、スマートフォンの露出計アプリは単体露出計と違って光を受ける受光部が付いていないアプリだと、カメラ内蔵の露出計と同じ反射光式のみでしか測ることができません。反射光式は被写体の色などに影響を受けてしまい、同じ環境下でも数値が変わってしまいます(編集部注 詳しくは『カメラ女子とんすけが行く!第一回露出計って必要なの?』でも解説しています)」
と「なるほど、単体露出計とアプリの露出計は測定方式が違うのですね。勉強になります」
杉「L-308Xの他にも高機能と携帯性を併せ持つライトマスターL-478シリーズやあらゆる撮影に対応できるフラッグシップモデルのスピードマスターL-858Dがあります。どちらも露出プロファイル機能や分離測光機能、フィルター補正機能などがあり、露出選択が容易になる機能が搭載されております」
と「露出プロファイル? 分離測光機能? フィルター補正機能? それはどういう機能なのでしょうか?」
杉「露出プロファイル機能は、カメラで写すことができる明暗の範囲(ダイナミックレンジ)を液晶画面のスケールで確認できる機能です。この機能を使うことによって白飛びや黒つぶれを抑えるための撮影時の設定など、露出決定の判断材料として活用することができます。測定した値は領域ごとに色分け表示されて視覚的に分かりやすくなっています。赤色は再現できない領域、緑色は再現できる、橙色は警告領域となっています。写真①の場合、シャッター速度1/125 ISO100 絞りF11+0.4段で撮影するとシャドー側はF4+1/3から表現でき、ハイライト側はF32+1/3までが表現できるのがわかります。ダイナミックレンジだけでなく、カメラの標準露出もメーカーやモデル事で違う場合もあるので、単体露出計の値がそのカメラの標準露出となるような補正もしてくれます。使うレンズによって若干露出に影響する場合もあるので、カメラとレンズの組み合わせごとにプロファイルを作っておけば、シビアに露出コントロールができるので便利ですよ」
と「家でRAW現像をする時に白飛びしてデータがなくなってしまうと困ると思って、いつも撮影時はすこしアンダー目に撮影しているので、撮影前にどこまで表現ができるのか確認できるのは嬉しいですね」
杉「続いて分離測光機能は、測定値に対するフラッシュ光の割合を表示する機能(写真②)です。フラッシュ光の割合を10%ステップで確認することができるので日中シンクロやミックス光での撮影をするときに役に立ちます」
と「フラッシュ撮影する時に環境光の影響があるのか数値で見られるのは便利そうですね。フラッシュを使う時の光の割合がどうなっているのか知りたかったのですよね」
杉「最後のフィルター補正機能とは、カメラに使用するフィルターを露出計側で選択することによって補正値を計算することなくフィルター効果が加味された露出が表示される機能です。フィルターは業界標準のCTO/CTB/NDフィルターが既に登録されており、フィルター補正量も独自の値でカスタマイズすることができます」
と「フィルターは風景写真で使うイメージかな? 今後フィルターを使う機会がでてきたら使える機能かと思うと単体露出計に搭載されているのは便利そうですね。そういえば、ライトマスターL-478シリーズには2機種あるみたいですが、それぞれ何が違うんですか?」
杉「L-478シリーズは、通常のL-478Dと無線コントロール機能を搭載したL-478DR-ELの2機種があります。L-478DR-ELはエリンクローム社のEL-skyportシステムに対応した露出計で、エリンクローム社のフラッシュ製品を手元の露出計でワイヤレスコントロールできるのでとても便利ですよ」
と「フラッシュをワイヤレスコントロールできるのは便利ですね。因みに僕が使っているGodoxに対応したものもありますか?」
杉「Godox社に対応した露出計はフラッグシップモデルのスピードマスターL-858Dになります。しかしながらL-858D単品ではコントロールできません。別売りのトランスミッターをL-858Dに装着することによりワイヤレスでフラッシュ製品をコントロールすることが可能になります。トランスミッターはメーカー毎に分かれており、Godox専用のRT-GX、broncolor専用のRT-BR、Elinchrom専用のRT-EL/PXがあります」
と「ひとりでライティングして撮影する場合とかに便利そうですね~。因みにL-858D とL-478シリーズは外見が大きく異なりますが、機能など何が違うんですか?」









