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  • 【雑誌連動企画】X(cross)shooting…Voigtländerレンズレビュー
    舞山秀一×Voigtländer APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical




PASHA STYLE Vol.7の雑誌&web連動企画、X(cross)shooting…。プロフォトグラファー(PASHA STYLEポートレートナビゲーター)舞山秀一さんとCOSINA フォクトレンダーとのコラボレーション記事の2回目は、フォクトレンダー史上最高の標準レンズと銘打たれ、多くのフォトグラファーから絶賛されたAPO-LANTHAR 50mm F2 Asphericalのコンセプトをそのまま引き継いだ「APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical」について書いていこうと思う。




●光の3原色を構成するRGBの軸上色収差及び倍率色収差を限りなくゼロに近づける「アポクロマート設計」を採用
●サイズ:φ62.6×67.3mm(フィルター径φ49mm)
●重量:352g
●最小絞り:F16
●最短撮影距離:0.35m
●レンズ構成:9群11枚
●絞り羽根枚数:12枚
●価格:希望小売価格(税別)12万円




上記が35mm F2のスペックの抜粋だ。サイズ、重量など多くを50mm F2から踏襲しているが、35mm用にリビルドされた光学設計により50mm F2を凌駕する性能を持っているとされている。これにより50mm F2同様に様々な収差を見事にコントロールし、細部まで最高レベルで解像してみせる。年々高画素化していくセンサー性能に楽々と追随し、シミュレーションでは1億画素にも対応可能という恐ろしいまでのパフォーマンス。更にユニークなのは特別に設計された「絞り羽根」だ。50mm F2では開放時とF2.8の時、絞り羽根が真円になるという特殊な設計になっていたが、この35mm F2に至っては開放、F2.8、F5.6、F16の時に真円になるという。美しい丸ボケを楽しんでもらいたいというメーカー拘りの仕様になっている。Eマウント版では電子接点を有しているのでボディ内手ブレ補正やフォーカス拡大機能などにも対応しているのでマニュアルフォーカスでも楽に撮影することができるのも嬉しい。まさに最強の35mmレンズと言ってもいいだろう。



作例から見るAPO-LANTHAR 35mm F2



PASHA STYLE Vol.7に掲載された作品。周辺を等倍で切り出してみた。手前の枝ぶりも遠景の描写も申し分ない。
〈 Sony α-9 SS1/1600 F8 〉





未掲載作品より。湿度を帯びた肌の質感、滑らかなボケ味、肩に掛かる髪の毛の描写力共に素晴らしい。
〈 Sony α-9 SS1/2500 F9 〉





未掲載作品より。直線のある構造物でも歪みがよく抑えられている。
〈 Sony α-9 SS1/500 F9 〉



舞山秀一の視点

コシナ渾身の技術と情熱を注ぎ込んだ、マニュアルレンズ最高峰の性能を有するAPO-LANTHAR 35mm F2 Asphericalでのフォトセッションを終え、プロフェッショナルの目と感性はどのような感想を持っただろうか。



 舞山秀一 VOICE 
僕のキャリアのある時期。デジタルカメラのクオリティが安定して、やっと世の中が慣れてきた時代。まる7年間くらいレンジファインダーのLeica M9でしか写真を撮っていなかった時があった。

なぜかというと、世の中に溢れる写真たちが「デジタルの支配」から逃れられていない感覚があって。みんな同じに見えてしまっていたんだよね。そんな時に出会ったM9で撮る写真は、大変ではあるんだけど撮り手に委ねられている要素が多いから、人と違うというか…… 撮らされたものではない“自分が撮った写真”が撮れると感じたんだ。その頃はピントを合わせるのも1mなら1mと距離を決めたらモデルが近づけば自分が離れる、離れれば寄るという体でピントを合わせることとかも普通にやっていたので、今回フォクトレンダーのAPO-LANTHAR 35mm F2を使った撮影で、その時の感覚をまざまざと思い出して、凄く楽しかった。

性能を追い求めてどうしても大きくなりがちなカメラレンズだけど、一番の利点であるはずの「カメラが瞳を追いかけて自動でフォーカスを合わせてくれる」ことを切り捨て、その他の性能を極限まで高めたレンズをこのコンパクトなサイズで作ってしまうところは脱帽せざるを得ないね。バッグの隅にいつも入れておきたくなるそんなレンズ。

開放からの描写の良さ、解像感がよく謳われるAPO-LANTHARだけど、今回の雪山ロケーションでは、舞い飛ぶ雪の粒や雪原や遠景の稜線なんかも写し込みたかったので敢えて絞って撮っています。開放だとどうしても雪礫の1粒1粒が溶けちゃうのでね。フォーカスリングを回す感触もとても心地よい適度な重さがあって、ヘリコイドの動きもHASSELBLADを彷彿とさせる。今のカメラはすぐに瞳にフォーカスを合わせちゃうけど、本当は他のところでもいい訳で。そこが自由に選べるところが敢えてマニュアルフォーカスを使う楽しさかな。わざわざ不便を買いフォーカスに縛られない自由な写真が撮れる所が面白いなと改めて思いました。

僕はいろいろなところで写真の審査委員をやったりしているけど、必ずどんな機材で撮っているのか確認しています。そうするとマニュアルレンズ、オールドレンズを使う人が多いことに驚きますね。僕たちみたいな業務で写真を撮るのではないアマチュアの人たちが「人と違うもの」を目指していることは凄くいいことだと思います。その手段のひとつがマニュアルレンズで撮る、オールドレンズで撮るということだと思うから。だからこそ自分の癖とか個性が表現しやすいと思うし、もっと自由に遊び心を持って写真を撮っていって欲しいな。その時にこのAPO-LANTHAR 35mm F2は素晴らしい選択肢になるなと感じました。



●撮影風景の記事はこちらからご覧ください。https://pasha.style/article/1544






X shooting協力メーカー


今回撮影された作品は、雑誌PASHA STYLE Vol.7に掲載されています。
ぜひそちらと併せてお楽しみください。
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【text:kimihiro kawano】