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  • 【WEB企画】H&Y × JIRO YABUZAKI & PASHA STYLE〜2
    いざ妖精の棲む森でスーパーリアルランドスケープポートレート!



コラボ企画撮影当日はどうやら……

僕らは確か朝焼けの妖精が棲むと伝えられる森に行こうとそう決めたはずだ。しかし時は僕らの思惑などに忖度してはくれない。全てのベクトルに、様々なファクターによって、有機的に変化してしまうものなのだ。つまり何が云いたいのかというと、どうやら撮影本番の日は台風の影響を受けちゃうらしいってこと。ああ。白々と明けていく森はもう望めそうもないじゃないか。幻のような薄明かりの中にぼぅっと現れる妖精には出会えないかもしれないけれど、でもそこは経験値の高いスペシャリスト達だ。きっと素晴らしいアドリブ力で妖精を捕まえてくれるに違いない。頼んだぞ。JIRO YABUZAKI。そしてPASHA STYLEぅ。そんなことを考えていたら撮影日前日、ロケ地に前乗りしていた風景写真家“スーパーリアル”藪崎次郎さんからロケハンの動画が送られてきた。めちゃくちゃいい天気じゃないですか…… この天気が明日だったら…… と、ちょっと残念な気持ちにもなりながら当日を向かえるしかないのでありました。



H&Yのフィルターを持っていざ「妖精の棲む森」へ

待ち合わせは現地に午前5時。本日の撮影用機材、衣装やメイク道具、そしてスペシャルサポーターH&Y Filtersにお借りしたフィルター群一式(グラデーションND、スロットインタイプのND+PL、ブラックミストなど)を積み込み、空模様に一抹の不安を抱えながらも都内から3時間車を走らせる。台風の影響で曇天が予想される為しっかりと夜が明けなければ十分な光量が得られない。当初の計画から後ろ倒しになった集合時間はそういう意味を持っていた。すでに日も昇り始めた頃、無事に藪崎さんと合流したメンバーはロケ場所に移動を開始した。


秋乃ろーざ / モデル、俳優、着物・日本文化研究家など様々な肩書を持つ才女。 そして風景写真家、藪崎次郎(中)とライティング担当PASHA STYLE編集長(右)。



いよいよ“スーパーリアルランドスケープポートレート”を撮る!

【ロケナンバー1】妖精の棲む森



 


すっかり日が昇っているように見えて5:30に現地へ到着。

機材を背負っていざ奥深くのロケ現場へ。雨が振り始める前が勝負。

ロケスポット近くの駐車場に到着したスタッフ一同は早速機材の準備。その間にモデルのろーざさんも衣装にチェンジする。準備ができた御一行様、ザクザクと細い山道を分け入って、ものの数分で最初のポイント「妖精の棲む森」に到着。早い、というかアクセス最高、モデルに優しい。風景写真家が目指す場所はとんでもなく過酷な場所だと勝手に思っていたので拍子抜けにも程がある。なのに眼前に広がる森は夜露に濡れた大木と葉と岩と苔の素晴らしい世界。藪崎さんのロケーションの引き出しはやはり流石なのである。ちなみにPASHA STYLE編集長は大の苔好き。興奮冷めやらない様子。手綱を締めておかないとどこかに飛んでいきそうな風情だ。
そんな素晴らしいロケーションの中に白い衣装を身に纏った妖精が儚げな表情で立ち現れる。この妖精、フォトグラファーからの細かい指示にもしっかり対応してくれる(日本語堪能)。立ち位置やポージングなどコミュニケーションを取りながら場所を移動しつつ撮影は順調に進んでいった。
そもそも強い光がない空模様の上、光が届きにくい森の中ではあるものの、それでも木々の隙間を縫って光が落ちてくる。必然フレーム内の上部と下部では露出差が生じる。ここでいい仕事をしてくれるのがH&YのグラデーションNDだ。上部の露出を少し落としながらモデルへの影響は出ないような効果が得られる。そうすることで絵全体のトーンのコントロールが可能になりクオリティもアゲアゲになる。細かい事のようだがそういうことの丁寧な積み重ねが大切なのだと改めて思い知らされた。




 


到着するやいなやH&YのグラデーションNDを装着。

基本自然光だがモデルへのフォローライトもスタンバイ。


雨に濡れてしっとりとした空気が漂う深緑の中に妖精が立ち現れた。




【ロケナンバー2】妖精が佇む滝


この時点ですでに1時間が経過。6:30。天気予報では7時過ぎころからまた雨が落ち始める模様。雲の動きを注視しながら次のロケーションへ歩を進める。しばらく山道を進むと今までの静寂が嘘のような景色が現れた。流れ落ちる滝、流れ下る渓流の音が木々に反射して地響きのように耳からの方向感覚を奪っていく。モデルを実際に立たせる前に薮崎さん自らがポジションに立ち、立ち位置を決めていく。そしてスマホで撮った写真を見ながら撮影の段取りをモデルと共有する。8月とはいえ山の川の水は恐ろしく冷たい。長時間の撮影はモデルへの負担が大きいため、なるべく短時間に済ませなければならないからだ。




眼前に現れた滝。モデルを立たせる位置をまずはフォトグラファー自らが確認。それを編集長がスマホのカメラで押さえ確認、モデルと共有する。



ここでもH&YのグラデーションNDが活躍する。岩、森と滝の露出バランスが難しい。

常に滝の音が人の声をかき消してしまうため、ボディランゲージで指示を出す。



足場が悪くとても滑りやすい岩上に素足で慎重に歩を進めるろーざさん。刻一刻と足先の感覚が無くなっているはずだ。大きな声で指示を出すも、滝の音で一部しか聞き取ることができない。足りない部分はゼスチャーを交えながら進めるしかないのだ。
シャドーに深く落ち込む水に濡れた黒い岩、光が届かない木々、滝のハイライト。水の流れを止めるのか流すのか。風景として完成させるだけでも難易度が高そうなシチュエーションにモデルまで入るのだから難しいに決まっている。モデルのコンディション的にも長時間粘るわけにもいかない。そんな厳しい条件の中、H&YのグラデーションNDとストロボを操って露出をコントロールし、気づいてみればわずか20分で3カットを撮りきっていた。現場では迷いなく撮影を進行させフィニッシュさせた写真家と瞬時に写真家の求める光を作ることができたライトマン。そして足場の悪いロケーションに臆することなく凛としてそこに在り続けたモデルとのコラボレーションが完結した。
「お疲れ様!」の声が滝の音に反響すると、一瞬で弾けた張り詰めた空気とともに雨粒が落ち始めた。撤収を急ぎながら藪崎さんのカメラのプレビュー画面を見ると、そこには確かに妖精が佇んでいた。

次回はいよいよこの日撮影された作品を公開する。



前回の記事 ▶▶▶「3人のスペシャリストが集まってなんかする会議 in 会議室





photographer:藪崎次郎
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lighting:ooxo
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model:秋乃ろーざ
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stylist:ユコ
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special supporter:H&Y Filters Japan



text:Kimihiro Kawano