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  • 【雑誌連動企画】X(cross)shooting…レンズレビュー
    舞山秀一×コシナ/Voigtländer NOKTON 50mm F1 Aspherical




話題のメーカー、話題のプロダクトとフォトグラファーがコラボレーションし、作品を撮り下ろす、ポートレート専門誌PASHA STYLEの人気企画「X(cross)shooting…」。Vol.9では上質で個性的なレンズを世に送り出し続けている株式会社コシナのVoigtländerブランドからこの春に登場した話題のレンズ「Voigtländer NOKTON 50mm F1 Aspherical E-mount」をファッション・フォトグラファーとして第一線で活躍し続ける舞山秀一氏に使用していただいた。至極の作品群はPASHA STYLE Vol.9でお楽しみいただくとして、WEB連動記事第2回目の今回はそのレンズに注目していきたいと思う。



最激戦区50mm市場にあっても
圧倒的な魅力を放つ“F1.0”のレンズ登場


ポートレートを撮るなら、まずは焦点距離50mmの明るい単焦点レンズが欲しくなる。というユーザーが多いのではないだろうか。そんな中、2024年春に登場した「Voigtländer NOKTON 50mm F1 Aspherical E-mount」の存在感は圧倒的だ。不要な背景情報はぼかしながら人物を際立たせたり、柔らかな前ボケで印象的な写真に仕上げたりと様々な表現が可能なF値の明るいレンズだが、その中でも「F1.0」となると別格。最高シャッタースピードが軽く30,000を超えてくることが普通になりつつある現在のカメラ性能なら、「F1.0」の絞りを活かせる新たな表現方法が増えるのではないだろうか。フィルターサイズ67mm大口径のこのレンズの佇まいは、しっかりとした存在感を主張してくる。コンパクトではないが程よいボリューム感で手に馴染み、ピントリングが回しやすい。ピント面が極めて薄いF1.0レンズでありながら滑らかなヘリコイドと、ピントリング操作に連動したファインダー拡大表示でピント合わせに苦労することもない。とかく瞳にフォーカスが来ていない写真は前ピンだの後ピンだのと失敗写真のようにいわれることが多いが、自分の作品のどこにフォーカスを持ってくるのかはフォトグラファー自身が決めるべきだし、そこに作家の意図が現れる。オートフォーカスに慣れたユーザーにもぜひその感覚を体験して欲しいところだ。また絞りのクリック音をカットする機構も採用されているのでポートレートムービーを楽しむユーザーにも嬉しい。



舞山秀一さんが感じる
“F1.0”レンズの存在意義


まず、いつもながらコシナのVoigtländerブランドから登場するレンズのプロダクトとしての精度、クオリティに驚くね。実直に誠実に、ニッチと捉えられても仕方のないマニュアルフォーカスのレンズを開発し続ける姿勢はメーカーとしてのロマンを感じざるを得ないですよ。今回作品撮りに使用させてもらった新レンズ「NOKTON 50mm F1 Aspherical」の存在意義にも通ずるというか。“F1.0”というめちゃくちゃ明るいレンズが、高感度耐性が抜群に良くなって、手ブレ補正がボディにもレンズにも採用されていることが珍しくない時代にどれほど必要とされているかというと疑問を感じる部分もある訳ですよ。実際ボクのフィールドであるクライアントワークという意味では必要な場面はほとんどない。でも、でもだよ(笑)。自分にとっては作品撮り、またはアマチュアのフォトグラファーがポートレートを楽しんで撮影するとなれば話は全く違ってくるわけ。“F1.0”絶対欲しい! いつかは欲しい! 1本は持ってたい!ってなるでしょ?まさに“ロマン”なんだよね。画質的なことをいうと、開放1.0では独特のフワリとした滲みがありながら、見せたい部分は充分に解像している。1段も絞ればシャキっとした絵になってくるけど、“F1.0”にしかできない表現を積極的に楽しんで欲しいね。当然ピントはシビアだけど、そんなことは気にせず自由に。ジャスト、前、後、アウトフォーカース全てが面白い、そんなレンズはなかなかないよ。それこそが「Voigtländer NOKTON 50mm F1 Aspherical E-mount」が登場した意義だと思うよ。


F 1.0 / SS 1/2000 / ISO 100 / model:ポニもえか


F 1.0 / SS 1/1600 / ISO 80 / model:久世珠璃
 
F 1.0 / SS 1/1250 / ISO 100 / model:村野みり







●サイズ:φ79.3×69.3mm(フィルター径φ67mm)
●重量:590g
●最小絞り:F16
●最短撮影距離:0.45m
●レンズ構成:7群9枚
●絞り羽根枚数:12枚
●価格:希望小売価格(税別)24万円





X shooting協力メーカー









雑誌連動レンズレビューはいかがでしたか?
最終回の次回は「雑誌未掲載作品」を一挙公開! お楽しみに!


●第1回「シューティングレビュー」はコチラ

今回Voigtländer NOKTON 50mm F1 Asphericalで撮影された作品は、
雑誌PASHA STYLE Vol.9に掲載されています。
ぜひそちらと併せてお楽しみください。
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【text:kimihiro kawano】