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PASHA STYLE Vol.3の発売に合わせ、秋冬コレクションをイメージして撮影。
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【雑誌連動企画】X(cross)shooting
Akihiro Suzuriya×Voigtlander ライティング編 -
今回の撮影にはアポクロマート設計のマクロレンズを使用。
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ソフトボックス2灯+アートレで縦に長い光を作り、秋の光を演出する。
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『X(cross) shooting Akihiro Suzuriya × Voigtlander 』の第2回はAkihiro Suzuriya氏のライティングテクニックを徹底解剖していきます。
背景がグレーの写真は、モデルから見て右側へボックスライト2灯を縦に配置し、アートレ越しに光を当てたライティング。左側にある天に向けているストロボとボックスライトはテスト撮影の時に使用したが、ボックスライトのみできれいに光が作れたので写真には写っているが使用しませんでした。
えんじ色の背景紙の写真では、小さな傘を使ってオパ風のライティングにした、Suzuriya氏の中でブームになっているライティング。どちらも複雑な多灯ライティングを組んでいるようにみえるが、実はシンプルな基本的なライティングの構成となっています。
編集部として気になるポイントをSuzuriya氏に質問してみました。
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図②のモデルさんからみたアンブレラの大きさ。柔らかい光を作るには光量よりも光源の大きさが重要。
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モデルさんにしっかりとライトが当たるように、緻密にアシスタントに位置指定するSuzuriya氏。
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PASHA STYLE編集部(以下 P) :背景紙がグレーのカットではボックスライトを2灯使っていましたが、どういう効果を狙ったのでしょうか?
Suzuriya氏(以下 S):2灯使いましたが、アートレで2灯を繋ぎ、タテに長い1灯に見立ててみました。秋特有の低く長く伸びる陽をイメージしてみました。おさえとして、左奥からストリップライトを入れてみましたが、シャープ過ぎたのでやめて、スタジオの白天井へのバウンスを試しました。最終的には天井バウンスもやめて右前のボックスライト2灯で撮影しました。P:背景がエンジのカットでは、小さいアンブレにこだわっていたようですが?
S:アンブレラを使ってオパ(ソフトライトリフレクター)っぽいライトにしたかったので。狙いとしては、柔らかいスポット光で、ほどよく赤背景を落とし、背景に転がしの1灯を入れグラデーションを作る事でした。P:なぜオパを使わなかったのですか?
S:小さい傘を使ったのは背景を落としたかったからなのですが、オパだとスポット性が強い為、背景が落ち過ぎると思ったのです。 -
アンブレラとモデルさん、背景の距離関係(比率)と光の照射範囲をイメージしたのが図②。
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P:小さい傘だと背景が落ちるのですか?
S:柔らかい光にするには、光量よりも「光源」の大きさが重要になりますが、大きな傘だと光が足元まで回ってしまいます。そこで小さい傘を出来るだけモデルさんに近づけて、モデルさんの位置からの見た目の光源の大きさを大きくするようにしました。これで光は小さい傘でもそこそこ柔らかくなってくれますし、ライトがモデルさんに接近した分、背景を落とすことができ、照射角度も小さいのでスポット的にもなってくれます。これに関しては文字で説明すると分かりにくいので、図①と②をご覧いただければと思います。P:ライト位置にもこだわっていたようですが……
S:こだわっていたというより、モデルさんが左右のどちらに身体や顔を振っても対応できるようにフロントトップに置きました。P:フロントトップ、傘トレ1灯…… かなりシンプルですね。
S:シンプルというかベーシックというか……、でもシンプルな分、いろいろ対応出来ますし…… ちょっと宣伝していいですか? この辺りライティングの話を11/25のセミナーでお話しさせていただこうかと考えています。まだまだ応募できるのでみなさん来てね(笑)
https://pasha.style/events/42
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【使用レンズ】
MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical E-mount
MACRO APO-LANTHAR 110mm F2.5 E-mount
作品クレジット:
model:久美
(Cruva management・HelaHela http://cruvahelahela.com )
hair & makeup:yoko kawaguchi( http://yokoguchi.tumblr.com )
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第1回 メイキング編
https://pasha.style/article/409第3回 レンズ編
https://pasha.style/article/516【Text SATO TAKESHI】
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