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【雑誌連動企画】X(cross)shooting…シューティングレビュー
Kay×コシナ/Voigtländer APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical II
光のマエストロお耽美写真家Kayが生み出す
こだわりライティングを徹底解説‼
Kay × Voigtländer APO-LANTHAR 50mm F2
Aspherical II
X(cross)shooting !
メーカーとクリエーターがコラボレーションする雑誌連動企画X(cross)Shooting。
PASHA STYLE Vol.10ではVoigtländerとお耽美写真家Kayさんがタッグを組んで作品を制作。今回の記事では繊細なストロボワークで定評のあるKayさんの作品で、どのような思考でライティングが行われていたのか紹介します。
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model:まぷさん
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Assistant:仲井良輔
X(cross)Shootingに掲載された作品で注目して欲しいのはKayさんが光と影を巧みに操り独自の世界観を演出しているところ。スタティック(静的)な空間の中に猟奇的で勢いのある雰囲気を醸し出しているのが本作品と最大の特長といえる。ライティング機材としては、LEDライト(Rotolight AEOS2 PRO)、ストロボ(Profoto)、オプティカルスヌート、モーラオパなどが使用されている。作品を見てもらうとわかる通り、色の付いたライティングや洋館にいるような窓枠を想起させるような影のエフェクトなど、お耽美写真家Kayさんらしい光と影の演出が施されている。
RotolightはLEDライトだが定常光だけでなく瞬間光としても使用することができる。色が付いた発光もできる。 | ストロボにはオプティカルスヌート装着することで格子模様や窓枠などさまざまなエフェクトを演出できる。 | Kayさんが愛用しているオパライトがモーラオパ。通常のオパとはことなりラウンドした形状がポイント。 | ||
この作品を作る時にお耽美写真家Kayさんがイメージしたのは映画「シャイニング」。ジャック・ニコルソン演じる主人公がどんどん狂気に苛まれて行き自分の家族を襲っていくというストーリーなのだが、この映画でキーワードとなっていくのが色の付いた世界観。Kayさんの解釈だと色の付いた部屋に入ってしまうとジャック・ニコルソンが“狂気の世界”に迷い込んでしまうという演出がされているとのこと。その演出から着想を得て、今回の作品の背景にカラーフィルターを使うことで怪しい雰囲気を演出している。作品全体のイメージとしては月明かりが入ってくる古びた教会をイメージして世界観を作り上げている。
雑誌PASHA STYLE Vol.10(P52-53掲載) 撮影データ:シャッター速度 1/60 絞りF2 ISO64 |
誌面(P52-53)のメインカットのライティング風景を見ていくと、実に効率的にそしてクリエイティブにライティングを行っているのがわかる。カメラの設定はVoigtländerのレンズの良さを最大限に引き出すためにISO感度64をベースに行っている。これはKayさんが長年の経験から導き出したこだわりでZ7IIが一番きれいに写るISO感度は64とのこと。ちなみにストロボなのにシャッター速度1/60を設定しているのはLED(Rotolight)の瞬間光とストロボの瞬間光を組み合わせて理想の発色させるため。
撮影に使用したカメラはニコンZ7II。『APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical II』のデザインは最近のニコンのデザインはもちろんことZ7IIのデザインとも違和感なくマッチ。 | 背景を照らすLEDライト『Rotolight AEOS2 Pro』は左右で異なる色で照射。右側がブルー系で左側がアンバー系となっている。 | 厳密な色表現にこだわるKayさんの現場ではカラーメーターと露出計は必須。写真はセコニックのカラーメーターC800。 |
それではライティングの詳細を見ていきたいと思います。ライト自体はLED2灯とストロボ1灯の3灯で行われています。背景は2灯のLEDで照射し、左右それぞれで色を変えているのがポイント。右側をブルー系で、左側をアンバー系と補色を使い演出している。ストロボで行うフィルターワークだとなかなか難しかった調整も定常光で色のバランスを見ながら微調整できるのが今回使用したRotolightの特長。
雑誌PASHA STYLE Vol.10(P55下掲載) 撮影データ:シャッター速度 1/60 絞りF2 ISO64 |
雑誌(P55)に掲載された2点はストロボ2灯でライティング。メイン光はオパライトにグリッドをつけて、しっかりと光を絞りながら硬くて雰囲気のある光を表現し、被写体の背後にはオプティカルスヌートを使って窓枠を照射することで、よりKayさんのイメージに近い洋館風に仕上げている。これは偶然なのだが窓枠がクロスしているところが十字架ぽくなり、結果的によりKayさんの思い描いた画になっている。ちなみにオパライトは通常のオパとは一味違った湾曲したラウンドした形状が特長のモーラオパ。美しいライティングができるので光のマエストロKayさんのお気にいりのストロボアクセサリーのひとつ。
オプティカルスヌートに使ったアクセサリーがコチラ。写真左が窓枠で右が格子模様。 | オパライトの光をギュッと狭めるためにグリッドを装着。背景がしっかりと落ちて被写体が浮かび上がってくる。 | モデルさんとイメージの共有がしやすいように撮影した画像がすぐに見られるようにPCとカメラを接続しテザー撮影。 | ||
最後に『APO-LANTHAR 50mm F2 AsphericalⅡ』を使った感想をお聞きしました
【Kay VOICE】
「普段はAFレンズを使っているので、マニュアルフォーカスで撮影することはないのですが、このAPO-LANTHAR 50mm F2 AsphericalⅡのマニュアルフォーカスはじっくりとフォーカスを合わせられるところが良かったです。今回、マニュアルレンズを使わせてもらって、普段使っているオートフォーカスだと画角には集中できるのだけどシステマチックになりがちなので、被写体には集中できるマニュアルレンズはポートレートをじっくりと撮影する時にちょうどいいと思いました」
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X shooting協力メーカー
過去の記事はコチラ
第1回 機材紹介
第2回 Kayさんインタビュー
今回Voigtländer APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical IIで撮影された作品は、
雑誌PASHA STYLE Vol.10に掲載されています。
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【text:SATO TAKESHI】